あなたの施設の救急部門(ED)では呼吸回数を正確に計ってますか?
2005年 03月 31日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
呼吸回数は患者評価にcriticalなものであり、正確性が要求される。トリアージナースがWHOが推奨しているように、1分間呼吸数をカウントするか、聴診しているかを観察している報告はまれである。さらに、電子機器や看護婦の基準をみたさない早めの計測で決定されることが多い。ニューヨークのティーチング・ホスピタルで呼吸回数の正確さとばらつきを測定。スタンダードはWHO1分標準に対するEDトリアージナースと電子的な胸部インピーダンスプレチスモグラフィーによる測定
EDトリアージ159名の成人患者
・トリアージナース測定は電気的な測定よりSD3.3回/分少ない、WHO推奨より4.8回/分少ない
・異常呼吸回数を検知する正確性は、トリアージナースにも電子機器にも無かった:感度0%、2%
異常発見率
低呼吸(<12回/分)38%
頻呼吸(>20回/分)40%
正確な呼吸数を把握するため、十分な分数をかけて呼吸数を視覚で確認か、聴診で確認することがまだベストは方法と言わざる得ない。正確な情報を得る別は方法が手に入れられればそれがよいのだが、残念ながらtried-and-true methodしか現在はない。
The vexatious vital: neither clinical measurements by nurses nor an electronic monitor provides accurate measurements of respiratory rate in triage.
Ann Emerg Med. 2005 Jan;45(1):68-76.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=retrieve&db=pubmed&list_uids=15635313&dopt=Abstract
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
以前、ICU勤務していたとき、先輩医師からものすごいモニタリング機器をそろえた病院ができるというと聞きまして、生意気盛りの卒業浅い頃、偉そうにも“モニタリングでは患者は助かりませんもんね”と一言いったところ、猛烈に反発をくらいました。いま、かんがえると、経験未熟なわたしの発言も結構いいとこをついてたのかもしれません。その当時でもすでに旧式のモニタリング機器しかなかったICUでしたが、かわりに呼吸数は看護師がしっかり数えていたなぁ・・・
脈搏は患者さんと話しながらでも測定できるので間がもてますが、外来では1分間呼吸数を測定するのは意外に困難です。まあ、上記事例は救急・重症患者なわけでちょっと違うとは思いますが、それでも、1分間呼吸数をじっと測定というのは・・・現実的には難しいのかもしれません。信頼できるモニタリングがあればやはりその方がいいのか・・
by internalmedicine | 2005-03-31 09:20 | 医療一般