ALSなどの神経変性疾患に抗生剤が効く?
2005年 03月 31日
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Amyotrophic Lateral Sclerosis ? A New Role for Old Drugs
NEJM Volume 352:1376-1378 March 31, 2005 Number 13
長期的に興奮性神経トランスミッター、グルタミン酸の病的な影響を長期間研究している専門家グループがシナプスのグルタミン酸が過剰となるときけいれん、卒中、無症候性ALSのような神経変性疾患で神経毒性としてはたらく可能性を示唆
脊髄の切片スライスから培養した星状膠細胞へのuptakeを促進することで、グルタミン酸のシナプス濃度を減少させる薬剤の同定するscreening assayを開発した。このscreening assayを用いて、β‐ラクタム抗生剤がin vitroの星状膠神経細胞のグルタミン酸輸送を促進し、CNS感染の治療中ルーチンに到達できるレベルでこの薬剤作用が発揮するということを発見した。
in vivoでもin vitroでも、グルタミン酸 担体GLT1の細胞表面表出を促進することを介するものと決定した。
β‐ラクタム剤、ceftriaxoneがグルタミン酸興奮毒性の2つの神経培養モデルで、神経細胞死を予防することができるということを提示しつつある。
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Ceftriaxoneが、グリア細胞内のGLT1のtranscriptionを増加させ、GLT1蛋白の増加
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グリア細胞表面のGLT1の数増加、細胞内のグルタミン酸再取込み促進
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シナプス間隙のグルタミン酸減少
↓
シナプス表面のグルタミン酸結合受容体との結合減少
↓
興奮毒性減少
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疾患オンセット時に高用量投与したら、握力増加、体重低下の速度減少、122から132日へと生存期間延長を示した。運動神経細胞死の減少を示され、マウスに於けるGLT1蛋白の表出増加が示された。
National Institutes of Health、アメリカハンチントン協会、 Hereditary Disease Foundation、 ALS協会の合同事業よりなされた研究で、基礎的な薬剤スクリーニング機器を開発するためのミッションによるものであり、最初の業績といえる。
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アメリカはこういうconsortiumというのは得意ですね。missionを絞っていることで目標到達しやすいのでしょうか?
※あくまでも、試験管内、動物実験内の話ですので、まだ確定的な話ではありませんので、ご高配を!
by internalmedicine | 2005-03-31 12:02 | 運動系