新たなる市中MRSA感染症(PVLを有する)
2005年 04月 01日
Re-emergence of early pandemic Staphylococcus aureus as a community-acquired meticillin-resistant clone
http://www.thelancet.com/journal/vol365/iss9466/full/llan.365.9466.primary_research.32722.1
Lancet 2005; 365: 1256-58
D Ashley Robinsonらは、80/81年分離したPVL(Panton-Valentine leucocidin)、すなわち、以前から若年者にvirulenceのある毒素を有する黄色ブドウ球菌を調査し、multilocs sequence analysisにより獲得メチシリン耐性が、市中感染MRSAとして再興してきたと報告し、院内感染への流行へとつながるとしている。
以上だが・・・・・・・・・・・・以前の報告を紹介すると・・・・・・・・・・・・・・
“MRSAは1961年から入院患者で隔離されていたが、多くの医療センターではMSSAより多く検出され、すでにnosocomial infectionの様相と成っている。1980年代にIV薬剤使用感じゃ全員、外来患者の一部にMRSAが分離されてきた。最近は、MRSAによる感染は入院した患者とは限らなくなってきている。CA-MRSA(市中感染MRSA)は託児所の子供、フットボールやレスリングなどの接触を伴うスポーツで若年者・子供が、軍人や刑務所まで広がっている。多くは皮膚や軟部組織であり、壊疽性肺炎の原因として記載されている。HIV感染者で最初気づかれたが、皮膚感染症としてではなく、密着した接触でヒト・ヒト感染を生じる。
nosocomialに感染したMRSAから共通した性質が示され、typeIV 黄色ブドウ球菌染色体cassetteにmecA遺伝子(SCCmec type IV)とともに、Panton-Valentine leucocidin(PVL)も多く存在する。”
http://www.trekds.com/techpapers/mrsaReport.html
細胞表面に穴を開け白血球を死に至らしめる反応を示すvilurence factorであり、より攻撃的な感染を生じたときの要因である。CA-MRSAはnosocomialMRSAより非β‐ラクタム抗生物質に反応しているよういにみえる。キノロン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、ST合剤、テトラサイクリンに感受性がある。virulenceがあるので、感染後は迅速に治療されなければならない。
黄色ぶどう球菌感染の病態は様々な表面成分(eg., capsular polysaccharideやprotein A)ー接着性マトリックス分子として認識されている成分を含む、細胞外蛋白(eg., coagulase、hemolysin、enterotoxin、toxic-shock syndrome toxin、exfoliatin、Panton-Vlentine leukocidin(PVL)に関連する。PVLはγ-hemolysinや他のleukocidin類(e.g., bovine leukocidin R)とともに、synergohemenotropic toxinと記載され、宿主防御細胞の細胞膜や赤血球表面にダメージを与える・・・
PVL遺伝子はfurunculosisの93%、重症壊死性出血性肺炎の85%(すべて市中肺炎)で認められた。
cellulitis strainの55%、皮膚膿瘍50%、骨髄炎23%、finger-pulp-infectionの13%
感染性心内膜炎、尿路感染、縦隔炎、腸炎、TTS関連などでは検出しない。
http://www.journals.uchicago.edu/CID/journal/issues/v29n5/990251/990251.text.html?erFrom=-5011506979585067248Guest
Editorial(http://www.thelancet.com/journal/vol365/iss9466/full/llan.365.9466.analysis_and_interpretation.32732.1)に感染症対策が先行している国として他の国とともに日本が名指しされてます。
マスゴミの関心が院内感染にばかり行っていて、その対策として国もそればかりにとらわれていて、足下をすくわれた感があるとのコメント・・・・・・(実に共感するのであった)
一つの結論: マスゴミはどこの国でもマスゴミである
by internalmedicine | 2005-04-01 16:53 | 感染症