心拍変動の研究 副交感神経に寄与する遺伝子

心拍数の変動はCVR-Rなどで臨床的に自律神経に関する研究が行われてきてますが、周波数的な分類により交感神経・副交感神経活動性とわけることができるということで、近年この研究が勧められてきてます。

そのなかで、遺伝的素因の一つが決定されたようです。

CHT1遺伝子の多型性が心拍変動への副交感神経活動性と関連。
Heart Rate Variability Is Associated With Polymorphic Variation in the Choline Transporter Gene
http://www.psychosomaticmedicine.org/cgi/content/abstract/67/2/168

Psychosomatic Medicine 67:168-171 (2005)


心拍数変動の低下は心疾患予後因子として注目をあびているわけで
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朝の心拍変動減少は心血管リスク要因
Impact of Reduced Heart Rate Variability on Risk for Cardiac Events
(Circulation. 1996;94:2850-2855.)

心拍変動減少は急性心筋梗塞後の死亡率増加と関連
Decreased heart rate variability and its association with increased mortality after acute myocardial infarction.
Am J Cardiol. 1987 Feb 1;59(4):256-62.
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この周波数分析は、なんらかの治療的評価、より積極的な介入につながるかもしれません。

心拍変動は大気汚染と関与
Heart rate variability associated with particulate air pollution.
Am Heart J. 1999 Nov;138(5 Pt 1):890-9.
なども興味あるものです。


<よくまとまってるなと感心したレビュー>
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Heart rate variability
Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol 285: R927-R931, 2003; doi:10.1152/ajpregu.00452.2003
http://ajpregu.physiology.org/cgi/content/full/285/5/R927


心臓のリズムは心臓病専門家だけが関心を向けているのではなく、詩人や音楽家にもインスピレーションを与える。実際心臓の周期は音楽のスピードの原型となっている。“mederato”は歩くときの心拍を参考に76-80拍/分としている。これでは心拍が必ず一定である誤解を与えそうだが、かならずしも一定でない。事実、心拍の変動のなさが問題となり、重症心疾患の調律のみだりが予後不良因子と関連が示唆され、予後因子の役割であり、心臓の自律神経活動性推定の臨床応用である。
健常者対象で、右房後壁の洞房調律から心拍が始まる。この領域の真剣の膜表面電位の不安定性が、一定した心拍を変動させる。多くの要因でほぼ一定した心拍は形成されるが、

ヨーロッパ・北米電気生理学協会のTask Forceでは
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1)超低周期:ultra-low frequencies (ULF;サイクル長 >5時間):日内変動(circadian rhythm)を含む
2)極低周期:very low frequencies (VLF;サイクル長 >25秒):体温変動やホルモンシステムに左右されると仮説
3)低周期(LF; サイクル長>6秒) :心臓交感神経(たぶん副交感神経も)による神経活動性も基づくもの
4)高周期(HF;サイクル長 2.5- to 6.0秒):呼吸リズムにシンクロしたもの
5)主に心臓副交感神経の介入によるもの
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と分類

ULFの主なoscillationはサーカディアンリズムであり、自律神経系の関与が心拍変動へ影響を与えている。心拍・平均動脈圧、腎血流、腎交感神経活動性はサーカディアンリズムがあり、交感神経が強いサーカディアンリズムを示すことの重要性が示され、PVN(視床下部の傍室核)はこの自律神経系のサーカディアンリズムの中心的役割を果たすとされる。SCN(suprachiasmatic nucle of the hypothalamus:視床下部視交叉核)からPVNへのspinal-projecting neuronへのGABA系あるいはグルタミン系のニューロンが投射している。SCNは昼/夜サイクルのトリガーとして中心。抑制的な神経トランスミッターであるGABAのPVNへの微量注入は腎臓の交感神経を抑制して、GABA拮抗剤であるbicucullneは腎の交感神経活動性を増加させる。PVNから孤束核への投射(圧受容体科のintegrateされた投射)、疑核(心臓の節前副交感神経)、rostroventrolateral medulla(交感神経前運動核に位置する)、胸腰髄のintermediolateral cell columnへ投射する。

心臓の内部の神経システムは交感神経、副交感神経と、その交差する局所性の回路(http://ajpregu.physiology.org/cgi/content/abstract/285/5/R1066?ijkey=da13f3cc9616b785b2d395206dba7f5967c364c0&keytype2=tf_ipsecsha)からなる。RAGP(右房節神経叢)は長時間の自律神経除神経にて活動性を生じる。右房ニューロンは、CABG後自動能を形成する。
心臓の周期と無縁で、全身の血圧の変化から影響をうけ、これが圧受容体と想定される。Substance Pは迷走神経に反応し、アセチルコリンと無関係に副交感神経節の活動電位のトリガーになる。RAGPとPAGP(postrerior arterial ganglionated plexus)は様々な働きをしているようである。PAGPの焼灼にて迷走神経関与の約26%減少させ、RAGP焼灼では完全にこの反応を打ち消すことができる。交感神経による頻拍を迷走神経により抑制することは神経叢の焼灼によってさらに促進する。副交感交感神経ニューロンはRAGPに主に存在し、節前副交感・交感神経のinteractionがまたPAGP内にある。
心拍の変動の自律神経の影響は心移植後の患者で、心拍変動が著明に低下することから明らかである。年月とともに再神経支配が生じると考えられている。本来の自律神経支配の役割を示す者であり、自律神経のchronotropicな影響の主な要因はcAMPである。細胞内cAMPはNaの内部への流れを促進し、活動電位に先行する拡張期遅延性のdepolarizationの速度を決定づける。adenylate cyclaseや細胞内cAMP値の活動性は交感神経β‐1アドレナリン受容体により増加し、Gi蛋白を介する副交感神経性のムスカリン受容体の刺激で減少する。
興味あることに吹こう交感神経介在性の変化は交感神経によるものより影響が早い。結果、LF成分へは交感神経系だけが影響を与えるが、副交感神経に関してはHF成分がその影響を与えることができる。この性質を利用して、自律神経バランス、交感神経・副交感神経活動性を決定する方法として利用される。事例としては、冠動脈血栓後の溶解剤使用後の再疎通例にタシするwavelet transformが行われることがある。

HF成分では、疑核内の心臓迷走神経運動神経の呼吸パターンによる影響であり、交感神経性のによるもの、たとえば、起立運動、心的ストレス、握力運動では心拍のLF成分を増加させる。
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by internalmedicine | 2005-04-02 17:04 | 動脈硬化/循環器  

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