降圧剤の効果:人種間の違い:ALLHAT再検討
2005年 04月 06日
Outcomes in Hypertensive Black and Nonblack Patients Treated With Chlorthalidone, Amlodipine, and Lisinopril
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/full/293/13/1595
JAMA. 2005;293:1595-1608.
黒人・非黒人において、CVDリスクという面で、ACE阻害剤あるいはCCBsがサイアザイド系利尿剤よりすぐれているか評価したもの
黒人・非黒人で、アムロジピンやlisinopril群はchlorthalidone群よりプライマリエンドポイント、他の特異的な臨床アウトカムで劣るということはなかった。
そして、利尿剤ベースの治療では心不全リスクの減少がみられた。
非黒人より黒人でchlorthialidoneによりアウトカム改善が著明なのだが、非黒人・黒人とも第1選択薬であることは変わりない。
人種毎の、プライマリCHDアウトカムにおける治療群間の差異はみとめない。
アムロジンvschlorthalidoneのみ、心不全のみ有意に異なった(総括: 相対リスク [RR], 1.37; 95% CI 1.24-1.51; 黒人: RR, 1.46; 95% CI, 1.24-1.73; 非黒人: RR, 1.32; 95% CI, 1.17-1.49; P<.001)
人種毎の治療効果の相違はない(P = .38)
lisinopril vs chlorthalidone:
収縮期血圧、卒中、複合CVDアウトカムにより相違有り
(P<.001, P = .01, and P = .04, respectively).
黒人と非黒人はそれぞれ、
卒中R: 1.40 (95% CI, 1.17-1.68) 、 1.00 (95% CI, 0.85-1.17)
combined CVD: 1.19 (95% CI, 1.09-1.30) 、 1.06 (95% CI, 1.00-1.13).
HF:1.30 (95% CI, 1.10-1.54) 、 1.13 (95% CI, 1.00-1.28)
時間依存的な血圧補正はlisinoprilとchlorthalidone間にアウトカムの差異を生じなかった。
P製薬はCCBを推奨するのだが、以下の変化で果たしてCCBがより有意なのかは???
“ALLHATの結果,利尿薬投与群に比して,Ca拮抗薬投与群でもACE阻害薬投与群でも同様に糖尿病の発症率が低かった。”と真にいいきれるのか?
前→4年後
chlorthalidone+6.9
amlodipine+6.0
lisinopril+2.3
FBS>=126
chlorthalidone30.9%→33.8%
amlodipine31.5%→32.8%
lisinopril31.4%→28.4%
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/full/293/13/1595/JOC42255T2
朝のテレビニュースワイドをみてると、コメンテーターがいっぱい出てきて、独りよがりの意見をさらすが・・・・あれと変わらんのではないか?
by internalmedicine | 2005-04-06 15:26 | 動脈硬化/循環器