コンドロイシン硫酸、グルコサミンの変形性膝関節症への効果


変形性関節症に対して、コンドロイシン硫酸塩 (Chondroitin sulfate:C) とグルコサミン硫酸塩 (Glucosamine sulfate:G)に関する論文、Lancetの論文以降動きが少ないような気がします。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=retrieve&db=pubmed&list_uids=11214126&dopt=Abstract

200名程度の他のRCTに比べれば比較的スケールの小さい治験であり、解釈次第ではどうでもなりそう・・・
“効果”といえど、関節腔への影響、炎症細胞への影響、機能的スコア、自覚症状スコアなどいろいろあるようですね。これでは関節腔への影響に関しては有意差がなかった。自覚症状は改善したということでしょうか。後はNIHの治験後騒ぎが起きるのか・・


目立った論文・論調をまとめてみました。


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OA治療にGとCを用いる臨床トライアルはOA症状に対しては有益であるという効果の知見が集積しつつある。C単独よりG単独の方が良好のようである。
併用に期待が持たれているが、まだ結論づけられてない。NIHでは最近ランダム化2重盲検(G500mg TID、C400mg TID)を割付けた。今後その結果が報告されるだろう
(GAIT trial :http://www.clinicaltrials.gov/ct/gui/show/NCT00032890%3Bjsessionid%3D61D763D206C45994D6E452D4A8D2F877)。

エビデンスは広く取り上げられているが、まだ不完全
(JAMA 2000;283:1483-4.http://jama.ama-assn.org/cgi/content/extract/283/11/1483


この製品がほんとに“疾患を改善する”ものか不明であり、複合物がGより良好かも不確実である。比較的安全とは思われるが、OAの確定診断の付いた場合、信頼できる業者からのものを推奨している。急性疼痛やOA以外の骨・関節性疾患には推奨できるものではない。
https://www.msp.mb.ca/protected/JournalArticles/28_3_Glucosamine.pdf


2001年BMJにて何れの研究も規模的に小さく、出版バイアスの可能性が高いと批判的論調であり、Gに関してはマジックというより混乱であり、詐欺である可能性が高い。
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/reprint/322/7300/1439.pdf


212名のOA患者3年G1500mg/日投与で、WOMACスコアと自覚症状若干の進行抑制効
果を認めたが、関節腔狭小化に対する効果はみとめなかった
(件の2001年Lancet論文:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=retrieve&db=pubmed&list_uids=11214126&dopt=Abstract


にもかかわらず、Review文献では、WOMAC、自覚症状だけでなく、関節腔狭小化進行抑制があるとするReviewが存在する
(Arch Intern Med. 2003;163:1514-1522.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=12860572

Review articleの価値に関し、出版バイアスなど十分検討されているとはいえないという批判もある。


喘息の副作用の症例報告
http://www.familypractice.com/journal/2002/v15.n06/1506.07/1506-07.pdf

by internalmedicine | 2005-04-08 12:05 | 運動系  

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