IGTより軽いNGTでも血糖高値に関する冠動脈疾患重症度との関連性あり

糖尿病でなくても、食後高血糖管理が重要と認識が一般的になってきています。

その傍証の一つでしょうか。IGTよりさらに、血糖の低いレベルも対象となってきたようです。

IGTより軽いNGTでも血糖高値に関する冠動脈疾患重症度との関連性ありということのようで・・・


糖尿病:糖負荷2時間後1200mg以上あるいは空腹時血糖126mg/dl以上
impaired glucose tolerance [IGT]:糖負荷2時間後140~199mg/dl
normal glucose tolerance[NGT]:糖負荷2時間後140mg/dl未満
ref.)参考


Glucose Metabolism and Coronary Heart Disease in Patients With Normal Glucose Tolerance
JAMA 2004;291:1857-1863.
糖代謝と糖尿病無しの患者の動脈硬化に関して相関があるという前向きの研究を含めいくつかの研究があるが、糖代謝パラメーターと冠動脈の程度の違いについて特別に評価されてはいない。
正常の糖代謝:NGTである冠動脈疾患の患者を調査。

肝動脈造影により四群に分け、有意な狭窄なし、一枝病変、二枝病変、三枝病変と分けた単変量解析では、糖負荷後の血糖(r = 0.667)、HbA1c(r = 0.561)、負荷後インスリン(r = 0.221)、空腹時インスリン(r = 0.297)、HOMA-IR(r = 0.278) (P<.001 for all)
多変量解析では閉塞冠動脈の数と独立した因子は、糖負荷後の血糖(r = 0.572), HbA1c (r = 0.413), 糖負荷後インスリン(r = 0.267), 空腹時インスリン (r = 0.174), HOMA-IR (r = 0.250) (P<.001 for all)
Duke Myocardial Jeopardy Scoreによる群別でも同様の結果が得られた。
(Jeopardy Score http://www.medal.org/sheets/ch6/cardiac%20jeopardy%20score.xls)

NGTと動脈硬化の進展度について、食後血糖とHbA1cは同等に分布せず、より重症な場合に有意。このことはこれは、心血管の危険と血糖関連指標に線形の関連があることを示唆。

IGTの場合、糖尿病治療薬のひとつを早期に使って食後高血糖をさげて良好であった報告があります(Lancet論文)。この場合はどうでしょう?

by internalmedicine | 2004-04-21 12:11 | 動脈硬化/循環器  

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