COPDからみた副鼻腔・鼻疾患



Relationships Among Bacteria, Upper Airway, Lower Airway, and Systemic Inflammation in COPD
Chest. 2005;127:1219-1226.)
http://www.chestjournal.org/cgi/content/abstract/127/4/1219
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Study objective:
上気道と下気道は連続している。COPD患者で上気道症状はよくみられるが、鼻の炎症、上気道・下気道・全身性炎症性指標の関連はまだ研究されてない。
COPD患者の鼻の炎症に対して焦点をあて、下気道炎症の程度と上気道に相関があり、細菌保持と全身性炎症の検討を試みたもの
57名のCOPD患者と12名の同年齢、性・喫煙状態の対照
血中、鼻洗浄液、喀痰試料を47名の安定したCOPD患者で、炎症性指標と細菌コロナイゼーションを研究。鼻腔洗浄試料を12例の対象者からも採取。

COPD患者はIL8を多く含む(97.2pg/ml p=0.009)
COPD患者のIL-8濃度は喀痰と相関があった(r=0.30 p=0.39)
COPD上気道・下気道は細菌のコロナイゼーションと相関がある
病原性をもつ細菌のコロナイズされた患者では鼻腔の細菌loadが多い(difference, 1.5 log cfu/mL; p = 0.016)
上気道・下気道炎症、細菌carriage、全身性炎症への有意な相関を見いだせなかった。

COPDは好中球chemoattaractant protein IL-8の鼻腔濃度増加と関連あり、下気道と相関がある。下気道細菌コロナイゼーション、後鼻漏、鼻腔細菌loadはこの所見のメカニズムを示唆するものと思われる。
COPDの患者さんに於ける上気道・下気道炎症の相関を初めてしめしたもの

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ところで、このCOPDに於ける鼻腔の炎症を、耳鼻科ではなんといっているのでしょう?

副鼻腔気管支症候群というのは、喫煙などの毒ガス吸入による外因性と区別され、内因性とされてるはずです。
COPDのような外因性の副鼻腔炎症となれば、どのclinical entitiyとなるのか


以前、好酸球を主体とする副鼻腔炎に関して
http://intmed.exblog.jp/1306703
記載しましたが・・・


好中球性の副鼻腔炎も、clinical entityをもう一度整理する必要があるのでは・・・

by internalmedicine | 2005-04-12 09:31 | 呼吸器系  

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