軽症持続は症状悪化時のコントローラー治療だけで十分?
2005年 04月 16日
ただ、プライマリ・アウトカムが喘息死ではないし、救急外来受診でもなく、個人のコントロールがどうかというわけなので、明日からそれでいいやというわけにはいかない
でも、そうなると、全国の喘息専門医は経営的に大打撃・・・かな
Daily versus As-Needed Corticosteroids for Mild Persistent Asthma
http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/352/15/1519
NEJM Volume 352:1519-1528 April 14, 2005 Number 15
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ガイドラインは軽症持続喘息への連日治療を推奨しているが、処方パターンをみるといわゆるコントローラー治療の間歇投与が多くなされているようである。
軽症持続喘息患者で、間欠的短期間コルチコステロイド治療の有効性(症状をベースにしたアクションプラン単独と、吸入budesonideあるいは経口zafirlukastを1年にわたって付加的に使用した場合の比較がなされた。
【方法】
二重盲検トライアル、225成人をランダム化
1)200μgBUD2回+プラセボ錠:73
2)20mgzafirlukast2回+プラセボ吸入:76
3)プラセボ錠+プラセボ吸入:76
プライマリ・アウトカム:早朝PEF(気管支拡張剤前後)、急性悪化頻度、喘息コントロール程度、無症状日数、QOL
3つの治療法とも朝のPEFを改善(7.1→8.3%); 約32L/分 P=0.90、急性悪化改善(P=.24)は同程度、budesonide群は年0.5週間の使用にすぎないが・・・
連日budesonide治療群は、間歇・連日zafirlukast治療群にくらべ気管支拡張剤使用前FEV1改善(P=.005)、気道過敏性(P<0.001)、喀痰中好酸球比率(P=0.007)、呼気中NO濃度(P=0.006)、喘息コントロールスコア(P<0.001)、無症状日数(P=0.03)で良好。しかし、気管支拡張剤後FEV1(P=0.29)、QOL(P=0.18)は有意差無し。
zafirlukast連日治療は間欠的治療と有意差無し。
結論としては、喘息の軽症持続型では、症状悪化時の間欠的吸入・経口ステロイドというのはありえる治療法であるかもしれない。この奇異な方法を推奨とするにはもうすこし研究が必要。
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by internalmedicine | 2005-04-16 11:21 | 呼吸器系