過体重は死亡率に影響なし 肥満・低体重は寿命短縮
2005年 04月 20日
この論文は、メディアで紹介されているようで、overweightを肥満まではいかない「太り過ぎ」という訳をしています。
“米政府は、肥満や太り過ぎが心臓病などさまざまな疾患の原因になるとして対策に懸命。意外な結果だが、CDCは「肥満が深刻な問題であることは変わらない」として、引き続き対策を進める考えを強調した。”(共同通信)と記載している。これは、おそらくoverweightと肥満の混乱の部分があるのでは・・・
Excess Deaths Associated With Underweight, Overweight, and Obesity
JAMA. 2005;293:1861-1867.
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/full/293/15/1861
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内容:肥満の頻度がUSでは増加し、超過死亡率と体重の相関について関心も増している。
目的:BMI<18.5、BMI:25~30未満、BMI30以上の死亡推定(2000年)
メインアウトカム:
Main Outcome Measures Number of excess deaths in 2000 associated with given BMI levels.
結果:
正常の体重カテゴリニー(BMI18.5~25未満)にくらべ
・肥満(BMI 30以上)は111 909(95%CI 53754-170064)の超過死亡
・低体重は33746(95% CI, 15 726-51 766)
過体重は超過死亡と相関せず (-86 094 deaths; 95% CI, -161 223 to -10 966).
肥満に対する死亡相対リスクはNHANES II (1976-1980)やNHANES III (1988-1994)の方がNHANES I (1971-1975)より低い。
結論:低体重、肥満、特に肥満の程度が大きいほど正常体重カテゴリーに比べ死亡率が増加する。
肥満の死亡率に対するインパクトは年代とともに減少するかもしれない、たぶんに公衆衛生、医療の改善による者であろう。USでの余命の改善する傾向にいっちし、虚血性心疾患の死亡率減少による結果であろう。
by internalmedicine | 2005-04-20 14:28 | 動脈硬化/循環器