肥満治療に関してBariatric surgery(肥満手術)がACPガイドラインで認められたとのこと
2005年 04月 25日
そんな中、アメリカの内科学会に相当するACP(American College of Physicians)は、南カリフォルニアEBMセンターにて開発したバックグラウンドペーパーにもとづいたガイドラインを発表された。
http://www.annals.org/cgi/content/full/142/7/I-55
その概略
What is the problem and what is known about it so far?
・それまで見いだされていた問題点・知見は・・・
肥満は健康問題であり、正常体重の人々より若死にする。
BMIは体重の適切さを指摘するものであり、25-29.9が過体重、30以上が肥満
肥満の治療はまず食事と運動。しかし、特定の患者には肥満治療薬と手術が適切な場合もある。
・ACP推奨にどのような変化があったのか
肥満治療のための薬剤手術の研究をレビューし、体重減少と副作用を明確にした
ガイドラインではBMI30gg/m2以上を適応とした。
What did the authors find?・
著者らの発見は・・・
肥満薬剤の研究は短期間に限られており、少数の患者だけであり、多くの患者では研究が完遂されることが無く終わっている。
6-12ヶ月の体重減少薬剤投与後、約11ポンド(1 lb=453.59g)減少未満
糖尿病コントロール、血圧コントロール、コレステロールコントロール改善を示した。
多くの研究では、肥満手術は比較群が無いなどの問題があったが、44-67 lbを10年までキープすることなどを示唆
肥満手術後の体重減少は糖尿病、血圧、コレステロールの改善と相関。sかし、手術による合併症は100名毎に1.9名までと推定。多くの肥満手術術式を他と比較したものが無く、肥満手術のアウトカムはこの術式が多く行われているところがベストと思われる。
What does the ACP suggest that patients and doctors do?
・ACPが患者医師にsuggestしたものは
医師はすべての肥満患者に食事と運動をアドバイスすること
医師と患者は体重減少、血圧、血糖の目標を設定すること
医師と肥満患者は肥満治療考慮する場合がある:食事や運動だけではその目標に到達できない場合
患者は、肥満治療薬の副作用の危険性、有効性・安全性の長期研究の欠如について理解しておかなければならない
肥満治療薬は、sibutramine, orlistat, phentermine, diethylpropion, fluoxetine, bupropionがある。
医師と患者は個々の患者にどの薬剤がベストか決定するために薬剤の副作用特性について議論しなければならない。
医師は、BMI 40kg/m2以上の肥満患者に、肥満関連の、高血圧、糖尿病、睡眠無呼吸などの病態を有する場合、手術について議論しておかなければならない。
患者は手術合併症、胆石症、他の消化に関わる異常についての肥満治療の副作用について理解しておかなければならない。
医師と患者は肥満手術が経験のレベルの高い外科医・外科センターを探すべきである。
What are the cautions related to these recommendations?
・この推奨に関連した注意事項は
食事・運動が肥満治療の根本である。たとえ、薬剤・手術を治療法として選んだとしても
この推奨は新たな治験で変化しうるものである。
【抗肥満薬の効果・副作用】
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# The mean weight loss associated with the above medications is summarized below:
* Sibutramine: 4.45 kg at 12 months
* Orlistat: 2.89 kg at 12 months
* Phentermine: 3.6 kg at 12 months
* Diethylpropion: 3.0 kg at 6 months
* Fluoxetine: 3.15 kg at 12 months
* Bupropion: 2.8 kg at 6 to 12 months
# The adverse effect profile should be considered when selecting a particular weight-loss medication. Major adverse effects are listed below:
* Sibutramine: modest increases in blood pressure and pulse and nervousness
* Orlistat: diarrhea, flatulence, and bloating
* Phentermine: cardiovascular abnormalities
* Diethylpropion: tachycardia and insomnia
* Fluoxetine: agitation and nervousness
* Bupropion: paresthesia and insomnia
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<追加・参照>
〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第41回
シンデレラ・メディシン(3) 肥満外科
李 啓充 医師/作家(在ボストン)
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2004dir/n2591dir/n2591_04.htm
Surgery for Severe Obesity
NEJM Volume 350:1075-1079 March 11, 2004 Number 11
http://content.nejm.org/cgi/content/full/350/11/1075
・急激な手術例数増加
代表的術式
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Roux-en-Y gastric bypass:http://www.geocities.jp/bariatric_surgery_japan/BSJ/LRYGB.htm
gastric banding procedure:http://www.geocities.jp/bariatric_surgery_japan/BSJ/newpage38.htm
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の紹介
by internalmedicine | 2005-04-25 15:46 | 動脈硬化/循環器