心音図S3は臨床的価値があるか?


心音図上S3、S4の存在は左室機能障害のマーカーと考えられてきたg、客観的指標となるかどうかは不明であった。
左室カテーテルを行われた前向きの研究で、S3、S4が左室機能障害を除外できる十分な指標とはなり得ないことが示され、S3のほうがS4にくらべればまし・・・

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Association Between Phonocardiographic Third and Fourth Heart Sounds and Objective Measures of Left Ventricular Function
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/293/18/2238?lookupType=volpage&vol=293&fp=2238&view=short
JAMA. 2005;293:2238-2244.
90名の成人左心カテーテルを一US教育病院で受けた患者
平均62(SD 13)歳(24-90歳)で、61名(68%)は男性。
4時間内に心音解析、心臓カテーテル、経皮的心エコー、血液サンプル


以下の異常を検出するための感度は
S3
LVEDP増加 41%
LVEF減少 52%
BNP増加 32%

S4
LVEDP増加 46%
LVEF減少 43%
BNP増加 40%

心室機能の異常マーカー値に対して特異度は
S3
LVEDP増加 92%
LVEF減少 87%
BNP増加 92%

LVEDP増加 80%
LVEF減少 72%
BNP増加 78%
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注意すべきは・・・これは心音図上のことであり、聴診上ではさらに感度が低下し、特異度がますかも・・・と考えられ、実際、
AAFP(http://www.aafp.org/afp/20000301/1319.html)によれば、
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・聴診によるS3は感度24%、特異度99%
S4は左室肥大+心不全は同様とのこと

・経静脈サイン(Jugular vein distension)でさえ、感度30%、特異度90%

・Point of Maximal Impulse(PMI):最強点の左方拡大は、心拡大指標としては
感度66%、特異度96%
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と記載があった。

BNPに関しては、EDでの心不全では、感度86(84-88) 、特異度90(88-91)、臨床的判断加味93(92-94)%など身体所見に比べ検査の質としてはかなり良好であることがわかる。



慢性期はS3の意義付けが難しいという意見もあるが、
・予後推定因子としての役割があるという所見がある。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=retrieve&db=pubmed&list_uids=11529211&dopt=Abstract
・無症状の場合でも・・・
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=12727575

by internalmedicine | 2005-05-11 14:16 | 動脈硬化/循環器  

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