SSRIと自殺 BMJ読者欄から
2005年 05月 13日
MRさんの配ったパンフレットをみて驚いた
“SSRIが自殺の危険性をたかめるという誤った認識?”
http://intmed.exblog.jp/1884252/
Association between suicide attempts and selective serotonin reuptake inhibitors: systematic review of randomised controlled trials
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/330/7488/396
で反論!
Editorialにはこの論文自身の肯定・否定や、薬剤使用法についての議論が書かれている。
代表的事例・・・
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/330/7500/1148
最初に、臨床医は自殺リスクの高い、重症の場合に抗うつ薬を処方しているわけで、mood改善が見られないのに、薬剤によるmotor disinhibitionだけの効果発現のための不均衡な治療効果によるではなかろうか?
二番目に、SSRIの自殺思考に対する予防的効果の傾向はオッズ比0.77であるのに、self harmの増加2.55と増加しており矛盾がある。
SSRIsのheterogeneityにはおどろかされる。sertralineがなぜ自殺思考を予防し、自傷リスクを同時に増加させるのか?
citalopramやその活性体であるS-enatiomere、escitalopramもまた奇異である。
三番目に、SSRIと三環系抗うつ薬のリスクの違いに関してはエビデンスが少ないことをthe Medicine and Healthcare products Regulatory Agencyは見いだている。
2つの連続したペーパーでも同様である。自殺リスクは抗うつ薬全般に対する注意点であるに違いない。
次の段階は抗うつ薬開始後の時系列のリスク分析であり、まずリスクがベネフィットより高い状況があり、続いて有益性の高いのか
エビデンスを基礎として古い臨床観察的知見を確定することが興味有ることだし、有益性の高いものとなるだろう
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/330/7500/1149-b
データに間違いが多すぎるという主張
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
あえて、言うが、SSRIが全く無罪であるという証拠はない!・・・議論を封じ込めるようなJAMA日本語版に登場の先生方の主張に疑問を感じる・・
ミスリーディングを恣意的、無意識的にかかわらず行うのが市場原理なのだろう・・・か?
精神科のお偉い先生たちおかれては、いまひとつ、猛省を促したい!
by internalmedicine | 2005-05-13 11:25 | 医療一般