喘息患者のインフルエンザワクチン フルタイドは他の薬剤の半分量でよろしいようで・・


◎インフルエンザワクチンは喘息に悪させず・・・でも有益性は・・・
Vaccines for preventing influenza in people with asthma (Cochrane Review)
From The Cochrane Library, Issue 2, 2004
インフルエンザワクチン接種は多くの国で喘息患者に推奨されているが、それ自体が呼吸機能悪化を引き起こす危険性を指摘されている。インフルエンザワクチンそのもののの利点はないという報告もあるが、文献のシステミックな検索がなされていない。

※結論としては、インフルエンザワクチン接種直後に喘息急性悪化を有意に増加させることはない。しかし、インフルエンザ感染に関係する喘息の急性悪化に予防的効果がある不確かさが残る。
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◎フルタイドは他の薬剤の半分量でよろしいようで・・
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Inhaled fluticasone versus inhaled beclomethasone or inhaled budesonide for chronic asthma (Cochrane Review)
The Cochrane Library, Issue 2, 2004.
フルチカゾン(Fluticasone propionate (FP) )はベクロメサゾン(Beclomethasone dipropionate (BDP) )やブデソニド(budesonide (BUD))に比べ、生体外(in-vitro)ではより強力な薬剤である。
実際に生体内でつかってどの程度の効果なのか?
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48研究(11479名の参加者)がクライテリアに合致。FP:BUD/BDP 1:2で比較して、有意にFEV1(1秒量)(0.11L 95%CI:0.01-0.20L)、朝方のPEF(ピークフロー)(13L/min 95%CI:5-22L/min)、夕方のPEF(11L/min 95%CI:1-20L/min)がFPの方が高い。
すべての薬剤料、年齢群、投与デバイスを通して適応できる傾向である。サブグループ解析ではより多くの吸入ステロイドを使用している重症の患者ではFPの相対的効果はより大きいとの報告もある。
トライアル中断はFP,BDP,BUDとも差異無し。
症状やrescue治療使用は広く報告されているが、分析に値するトライアル自体は少ない。咽頭炎の尤度はFPでBDP/FPの2倍 (Peto Odds Ratio 2.16; 95% CI 1.43 to 3.24)、ただしトライアルのheterogeneityがある。口腔カンジダの尤度比には差異がない。
血中コルチゾール・24時間尿中コルチゾールは頻回に測定しているが、データ提示は限定されている。
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結論としては、FPはBDP/BUDの1/2として処方すれば、気管支腔改善効果が優るが、副作用である咽頭痛に関しては2倍


最近、非フロン:Hydrofluoroalkane-134a:HFA-134aが使用されたキュバールは400μgで以前のChlorofluocarbon主体のベコダイドなどの800μgと同等という報告がなされ、さらにFPもHFA-134aを使用したフルタイド50・エアーが発売され、FPのドライパウダー製剤のさらに半分の用量設定となっております。
小児では非フロンとフロンと同用量で同等と気になる論文があります。また、成人でも同様ですので・・・
この辺疑問が残ります。
この方面の咽頭痛はどうなのかという問題も・・・

by internalmedicine | 2004-04-28 16:54 | 呼吸器系  

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