クラリスロマイシンとコルヒチンの相互作用による致命的な合併症



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Fatal Interactions Seen Between Clarithromycin and Colchicine
http://www.medscape.com/viewarticle/509632
マクロライド系抗生物質であるクラリスロマイシンと、痛風治療薬コルヒチンを同時使用すると、致命的なコルヒチンの毒性リスクを増加させる、特に腎障害患者で、ということが後顧的研究で判明した。
Clinical Infectious Disease誌8月1日号(Clin Infect Dis 2005;41:291-300)に掲載される。


116名の患者で、88例で同時投与、28例で継続した処方を見つけた。
併用群9例の患者(10.2%)、継続使用群1例(3.6%)で入院後28日以内に死亡。死亡原因は6例で肺炎、2例で急性腎不全、1例でうっ血性心不全、1例で多臓器不全。
多変量解析で、オーバーラップしている期間が長いほど(relative risk 2.16, p < 0.01)、ベースの腎障害があるほど(RR 9.1, p < 0.001)、入院中汎血球減少症の進展があるほど(RR 23.4, p < 0.001) 、独立して死亡と相関。

著者らはこの致命的な相互作用はcytochrome P450であるCYP3A4とP-glycoprotein transporter systemクラリスロマイシンの抑制効果によるコルヒチンのbioavailabilityの増加によるものではないかと示唆。



Dr. Yuenのグループは、“クラリスロマイシンとコルヒチンの同時使用はすべきでない。特に腎不全患者においては。もしマクロライド系抗生物質をコルヒチンと処方しなければならない場合は、主に胆汁排泄型であり、CYP450代謝、P-glycoproteinに影響を与えないazithromycinを投与すべきである。”

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かなりリスクの高い併用であるので・・・併用禁忌にすべきでは?

現時点では、まだ、副作用情報として、他のルートからは入手できてないのですが・・・
結構重要な副作用報告なのでは?

日本のメーカーなので後手となってしまってるのでは?


コルヒチン錠
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3941001F1050_1_02/

クラリス錠200
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6149003F2038_1_15/

by internalmedicine | 2005-07-30 08:47 | 医療一般  

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