甲状腺ホルモン補充は最初から最大量でおこなえ!

という論文


The Starting Dose of Levothyroxine in Primary Hypothyroidism Treatment
A Prospective, Randomized, Double-blind Trial
Arch Intern Med. 2005;165:1714-1720.
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/165/15/1714
─────────────────────────────────
甲状腺機能低下に対するlevothyroxine治療は有効だが、推奨される開始投与量に関してばらつきが見られる。levothyroxine投与開始量に関して前向き研究として検討されてなかった。
新規診断した心臓の症状のない低甲状腺機能患者に対して、前向きのランダム化、二重盲検トライアルを1.6μg/kgというfull-doseの投与開始量と25μgという低用量開始量(各4週毎に増加)で比較。

75名の連続した患者を登録、うち50名をランダム化
ベースラインで、甲状腺低下症の重症度と年齢をfull-dose(25) vs low-dose(25)で比較
thyrotropin: 61 vs 48 mIU/L
free thyroxine: 0.56 vs 0.64 ng/dL (7.2 vs 8.2 pmol/L)
年齢: 47 vs 47 years

ベースライン、12週、24週での、治療中や自転車エルゴメーター中の、非心臓性の訴えやイベントはなかった。
甲状腺機能正常化はfull-dose vs low doseで
4週:13 vs 1
8週:19 vs 3
12週:19 vs 9
16週:20 vs 14
20週:20 vs 18
24週:21 vs 20
(P = .005).

しかし、甲状腺機能の徴候・症状とQOLは比較できる速度で改善した。

結論:心
─────────────────────────────────



だが・・・

Harrisonでは・・・・
─────────────────────────────────
もはや残存甲状腺機能がない場合は、levothyroxineの補充投与量は通常1.6μg/kgBW連日(通常100-150μg)である。多くの患者では残存組織がまだ残っているので低用量で十分である。Graves病治療後低甲状腺機能となた患者では、自律神経機能の異常存在するので低用量から開始する必要がある(典型的には 75 ~ 125 μg/d).
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
老人では若い患者に比べthyroxine20%程度減らす必要がある。
特に冠動脈疾患を有すると判明している場合、老人では12.5-25μg/日の開始量で、2-3ヶ月毎にTSH正常化するまで増量する。
─────────────────────────────────
甲状腺残存機能により、層別化され、やはり慎重な漸増法が老人などでは必要なもよう。


甲状腺機能低下症女性の妊娠時の甲状腺ホルモン必要量増加のタイミングと程度
http://intmed.exblog.jp/pg/blog_view.asp?srl=663648&nid=intmed

by internalmedicine | 2005-08-09 10:59 | 医療一般  

<< 老人の寝たきりとなる運動性低下... ビタミンCの心臓疾患リスク減少... >>