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Date: Thu, 13 Sep 2001 09:34:28 +0900
Subject:咽頭痛への抗生剤投与
AIMの方のGuidelinieの内容は、特に、咽頭痛という症状から溶連菌感染症の治療前確率をもとめるということも一つのテーマになってます。もし溶連菌感染があればどのくらいの治療前確率が望めるかということで、治療の意義に関してやや不満ののこる内容と私も感じてました。Utilityの測定が主観的に流されるとDecsion makingの結論も大きく変わるわけですから、咽頭痛と抗生剤というのはCochrane Libraryではとりあげられているテーマです。たとえば http://www.nihs.go.jp/dig/cochrane/jp/revabstr/jp/jp000023.htm 最新のLibraryでもさほど結論は変わらないようです。溶連菌感染によるAdverse eventを重視された医学教育と、薬剤情報提供側の商業主義により、過度な抗生剤処方が行われているということで、それと、これ、小児に関して言及している論文ではありません。

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Date: Thu, 13 Sep 2001 15:30:46 +0900
Subject: ヘリコバクター・ピロリと胃がん発生率の前向き研究
さすがに、胃潰瘍の除菌もペースダウンしてますが、ほぼ40例程度になってますか? 30例まで中間でまとめたのですが、除菌失敗が1例でしたが、もう1例増えて2 例です。5%程度の失敗率で結構良いのではないかと思ってます。2nd lineの Regimenがはっきりしないので、除菌失敗例はそのままとなってますが。 MRさんによれば、私の周辺では、除菌に積極的な施設って、私のところのような非専門医が多いらしいということですが、、、ヘリコバクター・ピロリと胃がんの関連に関する論文で、福岡大学の先生方の論文のようです。 Helicobacter pylori Infection and the Development of Gastric Cancer http://content.nejm.org/cgi/content/short/345/11/784
【背景】Helicobacter pylori感染と胃がんの進展との関連に関する研究が多くあるが、実際には不明である。
【方法】前向きの1526名の日本人患者(十二指腸潰瘍、胃潰瘍、胃過形成、NU D)で、1246名H.pylori感染、280名未感染をフォロー。平均フォローアップ 7.8年(1.0-10.6)で、生検を含む内視鏡を施行した患者で、1-3年で施行。 H.pylori感染は組織、血清診断、迅速ウレアーゼ試験にて評価し、検査+を陽性と定義した。
【結果】H.pylori感染例で胃がんは36名(2.9%)、未感染例ではなし。 23intestinal-typeで13例diffuse-typeであった。H.pylori感染患者のうち、重症の胃萎縮、体部中心の胃炎、intestinal metaplasiaは胃がんのリスクが有意に高い。445名のNUD患者のうち21名(4.7%)に胃がんを、297名の胃潰瘍患者うち10名(3.4%)、229名の過形成性ポリープのうち5名(2.2%)、十二指腸潰瘍275名のうち0名が胃がんを発見された。
【結論】胃がんは、H.pylori感染患者では発病、非感染患者では発病せず。重症の胃萎縮、体部中心胃炎、腸上皮化生はリスクが高い。H.pylori感染患者+ NUD、胃潰瘍、胃過形成性ポリープもまたリスクがあるが、十二指腸潰瘍にはない。このmeta-analysisと一致しているということだそうです。 http://www.gastrojournal.org/cgi/content/abstract/114/6/1169?ijkey=V2W7B9tE/qR.Q 現在、H.pylori除菌は潰瘍の再発防止が唯一の目的ですが、胃がんの発生抑制効果が、コストに見合うかどうか、また、潰瘍以外にも胃内視鏡所見で除菌適応を拡大すべきなのか?

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Date: Fri, 14 Sep 2001 10:35:00 +0900
Subject: セファロスポリン系抗生剤の皮内反応の馬鹿ばかしさ
Localmtret-MLに参加した最初の頃、セフェム系の抗生剤の皮内反応をルーチンにしているのは日本くらいで、その根拠もないはずというのをポストしてましたが、 NEJMにしっかりその馬鹿ばかしさにふれている論文がありました。シプロキサンの皮内反応を厚生労働省が強要してるのを考えると、Subjectを「厚生労働省って**ですか?」としても良いのかもしれませんが、、本来なら、 1)問診にて、セフェム系アレルギーの有無、ペニシリン系のアレルギーの有無をチェック ↓ 2)アレルギー既往がある、あるいは、疑われる場合はペニシリンの皮内反応3)2)で陽性ならアレルギー反応を生じるリスクが高いと判断、できれば別の系統の薬剤変更か仕方ない場合は減感作。ということではないでしょうか。抗生剤を使う機会のある方には、一読をお勧めするReview articleです。

Cephalosporin Allergy Volume 345:804-809 September 13, 2001 Number 11 http://content.nejm.org/cgi/content/short/345/11/804#T3 一部抜粋
ペニシリンアレルギーを有さない9388名の患者で、わづか2例のアナフィラキシー(0.02%)を見たに過ぎず、一般的には0.0001-0.1%と稀。28の文献のレビューでは17名(1985-1990)のceftriaxoneのアナフィラキシー、11例 (1986-1990)のcefotxitinのアナフィラキシーである。 Cephalosporinへのアレルギーの皮膚テストの試みは失敗であり、本来の薬剤のみの皮膚反応はpredictive valueが少ない。抗セファロスポリンIgE抗体評価が臨床的には有用。むしろ、ペニシリンアレルギーの既往を有する患者は無いものに比べ8倍のアレルギー反応の可能性があり、ペニシリンアレルギーの既往があるがペニシリンの皮膚反応が陰性のものは、セファロスポリンへのアレルギーのリスクは増加させない。故にペニシリンの皮膚反応の方が重要。そういう面で、ペニシリンのアレルギー皮膚反応はセファロスポリン投与の臨床的適応のあるペニシリンアレルギー既往の患者の評価に有効で、実際、ペニシリンアレルギーの既往のある患者の約80-95%は皮膚反応陰性である。

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Date: Sat, 22 Sep 2001 12:18:12 +0900
Subject: ヒッププロテクターについて
日本でもヒップ・プロテクターはあるようですが、 http://www.rakuten.co.jp/gunze/326562/418917/ http://www.teijin.co.jp/japanese/news/2000/JBD00404.htm オーストラリアのコミュニティ・ヒッププロテクター・プロジェクトのように大規模に推奨されるとみこしているのでしょうか。中外・帝人あたりは、、それにしても、この文献(↓)をみて、ヒッププロテクターも装着させ、それを持続するのも大変だなあとおもいます。(NPPVの装着させるのと似ていたりして^^;) Acceptance of Hip Protectors for Hip Fracture Prevention in Nursing Homes M. Hubacher (1), A. Wettstein (2) Osteoporosis International Volume 12 Issue 9 (2001) pp 794-799 http://link.springer.de/link/service/journals/00198/bibs/1012009/10120794.htm 165名を対照群に、384名を干渉群に割り当て、138名(35.9%)が10ヶ月つけた。124名(32.3%)が中断、122名(31.8%)が全く拒否。1日平均12時間装着、50%の防御時間。2ヶ月で55%が脱落。 NNT-5年で8というのは、効果は明瞭なのでしょうけどね。 ↓ Prevention of Hip Fracture in Elderly People with Use of a Hip Protector NEJM Volume 343:1506-1513 November 23, 2000 Number 21 http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/343/21/1506 13名のヒッププロテクター群の股関節骨折、67名の対照群。ヒッププロテクター群611人年、対照群1458人年。 1000人年に対し、21.3:46.0(relative hazard in the hip-protector group, 0.4; 95 percent confidence interval, 0.2 to 0.8; P=0.008) 骨盤骨折のリスクは少ないが、プロテクター群:対照群=2:12名(relative hazard, 0.4; 95 percent confidence interval, 0.1 to 1.8; P 0.05). プロテクター使用4名(1034件転倒中)が装着中の転倒により股関節骨折。9名はプロテクター装着していないときの転倒(370件)による骨折(relative hazard, 0.2; 95 percent confidence interval, 0.05 to 0.5; P=0.002)。(Number Needed to Treat)1年目では41(95%CI,15-115)、5年目では8(95% CI:5-23) 銭ゲバテレビ局・新聞社が大企業と密着して、こんなのを外国では当然みたいに報道したらやだなーとおもいつつ、転倒事故が防げれば患者に啓蒙してもよいのかな?と思いつつ、、、つつ --

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Date: Wed, 26 Sep 2001 12:22:57 +0900
Subject: 急性心筋梗塞のPoint-Of-Care testing
医者も95%程度がインターネットを利用するようになったようです。(もっとも外国ですが) http://pn.psychiatryonline.org/cgi/content/full/36/18/8-a しかし、ネット・ウィルスがこれほど身近になると、ネットワーク普及させても、あとの指導が大変そうだなあと、曽於郡医師会のネットワーク事業立ち上げを控えて、心配しております。関係ないのですが、 Point-Of-Care testing (POCT)とは、 “POCT refers to those patient testing activities provided within the institution, but performed at patient care location by hand- carried d evices (kits and instruments). POCT does not include limited service s atellite testing sites with permanent dedicated testing space” ということで、施設内で、患者のケアをおこなってる場所で手作業にて行う検査で、インフルエンザ迅速診断キットやトロップTテストなどが典型的でしょうか?6時間もEDの有効利用の面からもEDに除外できる患者をおいとくのはムダなのでしょうね。きっと。 Ninety-Minute Exclusion of Acute Myocardial Infarction By Use of Quantitative Point-of-Care Testing of Myoglobin and Troponin I Circulation. 2001;104:1483.) http://circ.ahajournals.org/cgi/content/abstract/104/13/1483 Clinical Investigation and Reports
【方法】817名のAMIの可能性ありとされたED患者。CK-MB、Troponin I、 Myoglobinをpoint-of-care device にて測定、即時、90分、3時間、9時間と測定。標準的中央検査室のCK-MBを同間隔で測定、SensitivityとNPVを point-of-care(POC)法と中央検査室測定と比較。90分までのミオグロビン、トロポニンPOCの感度、NPVは96.9、99.6%であった。3時感じの血液サンプルやCK-MB測定は感度、NPVの改善に寄与しない。中央検査室からのレポート結果をうけとるまでの中央値は71.0分で POCでは24分であった。
【結論】AMIは9EDにおいて現時点から90分までのミオグロビン・トロポニンI のPOCにより迅速に除外可能。 キットはこれかな? http://www.responsebio.com/corp.htm#ramp -- **************************************************************************
Date: Wed, 26 Sep 2001 16:10:09 +0900
Subject: 臨床ガイドラインの寿命
AHRQガイドライン(↓)は有名ですが、このガイドラインというのはどの程度の寿命なのか? http://www.ahcpr.gov/ JAMAで、興味ある指摘がありました。 Validity of the Agency for Healthcare Research and Quality Clinical Practice Guidelines How Quickly Do Guidelines Become Outdated? http://jama.ama-assn.org/issues/v286n12/abs/joc02187.html JAMA. 2001;286:1461-1467 臨床ガイドラインのアップデートが必要であるであろうが、17のAHRQの臨床ガイドラインの信頼性を評価、どの程度でガイドラインが役だたなくなるかを評価したところ、ガイドラインの生存率曲線(↓)がかけた。 http://jama.ama-assn.org/issues/v286n12/images/jtw10032f2.gif 7つのガイドラインは大きなupdateが必要とされ、6つはminor updateが必要で、3つはまだ実用性が保たれていたが、1つは結論づけできず。生存率は5.8 年(95%CI:5.0-6.6年)で、実用性が90%以下となるのは3.6年(95%CI:2.6-4.6) である。結論として、AHRQガイドラインでも4/3以上が3年ごとにガイドラインの再評価が必要。各分野でも次々に学会主導で、ガイドライン発表予定のようですが、大変な仕事になりそうですね。 --

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Date: Sat, 29 Sep 2001 11:16:11 +0900
Subject: 長期喫煙者の脳
Archives of General Psychiatryの同号には喫煙の話題が複数掲載されておりまして、さすが米国精神医学会診断基準 DSM-IV:305.10ニコチン依存だなあと思う次第です。ニコチンガムが市販されるようになり、医者のスタンスが“禁煙ガムは薬局に売ってるよ”ですませるようになったり、逆に禁煙指導をし始めるとひとりの患者に長時間を要することとなり、また、、ニコチン誘発性障害として292.0 ニコチン離脱、292.9特定不能のニコチン関連障害を惹き起こす可能性さえあり、別の問題が潜伏しているような気がしますし、専門性がかなり必要な分野でもあるような気もします。 “フルオキセチンとbuproprionは禁煙に対する僅かな効果を持つエビデンスがあり,他の抗うつ薬もまた有効かもしれない.抗不安薬に禁煙を助けそうなエビデンスはない.ニコチン置換療法に優先して抗うつ薬を第一選択療法として勧告するには,不十分なエビデンスしかない.” http://www.nihs.go.jp/dig/cochrane/jp/revabstr/jp/jp000031.htm ということですが、長期喫煙者の脳は抗うつ薬を服用している患者と同様なchemicalな変化が青斑核に認められるということです。 Effects of Long-term Cigarette Smoking on the Human Locus Coeruleus Archives of General Psychiatry 2001;58:821-7 http://archpsyc.ama-assn.org/issues/v58n9/abs/yoa20275.html 長年の喫煙者の青斑核はbeta2 adrenoceptorが有意に少なく、脳内のノルアドレナリン、ドパミンを形成する役割を果たすyrosin hydroxylaseの減少が有意であった。2つの効果が抗うつ薬暴露の動物で報告されており、抗うつ薬のポテンシャルを求める方法でもある。この作用が、喫煙の頻度の高さと禁煙の難しさを惹き起こすのかもしれない。ニコチンの作用は、エピネフリンの遊離刺激し、神経システムを刺激し、ニコチンによる作用の“kick”の部分に反応する。また、beta エンドルフィン遊離を促進もする。喫煙の抗うつ作用があるかどうか、脳内の化学的な変化が喫煙者を作ってしまうのかも実のところまだ不明である。 FDAが最近認可した抗うつ薬buproprionによる禁煙補助の効果を説明できるのかもしれない。逆説的におもえるのだが、buproprionは喫煙者より非喫煙者の nicotin依存に対して効果があるのである。(←意味不明です) --

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Date: Fri, 05 Oct 2001 16:01:42 +0900
Subject: PROGRESS study
脳卒中再発防止について世界10か国で実施中の大規模臨床試験PROGRESSのデータです。高血圧の有無に関わらず積極的なACE-I(コバシル)+利尿剤(indapamide)の投与をすすめているようです。適応追加をコバシルはおこなうようですが、フリーフルテキストでした。 Randomised trial of a perindopril-based blood-pressure-lowering regime n among 6105 individuals with previous stroke or transient ischaemic attack PROGRESS Collaborative Group* http://www.thelancet.com/journal/vol358/iss9287/full/llan.358.9287.original_research.17742.1
【背景】脳血管疾患において高血圧、非高血圧患者における卒中のリスクとしては重要であり、降圧剤治療の有効性、安全性に関しては不明であった。
【方法】6105名のアジア、オーストラリア、ヨーロッパ172センターの6105名に積極的治療(3051)とプラセボ(3053)を割り当て、ACE-Iであるperindopril(4 mg/日)と利尿剤indapamideを加えた。primary outcomeは全卒中(致死的、非致命的)。ITTにて解析。
【結果】4年以上フォローアップ。積極的9/4mmHg血圧減少。307(10%)は卒中後 active treatmentに割り付け、420(14%)はプラセボへ割り付け(relative risk reduction 28% [95% CI 17-38], p<0・0001)。積極的治療もまたmajor vascular eventsのリスクを減少(26% [16-34])。高血圧・非高血圧群のリスク減少は同程度(all p<0.01)。perindopril+indapamideの併用は12/5mmHg血圧を減少させ、卒中を43%減少(30-54)。単剤により5/3mmHg血圧を下げるが卒中のリスク減少は有意でない。・http: //www.thelancet.com/image/issues/vol358no9287/article1033/01art8168_3.gif?figcap=Figure+3%3A+Cumulative+incidence+of+stroke+among+participants+assigned+active+treatment+and+those+assigned+placebo ・http://www.thelancet.com/image/issues/vol358no9287/article1033/01art8168_5.gif?figcap=Figure+5%3A+Effects+of+study+treatment+on+stroke+and+major+vascular+events+in+subgroups+of+patients
【結論】TIAあるいは、卒中の既往を有する高血圧・非高血圧患者患者の卒中のリスクを減らした。降圧レジメンは高血圧・肥厚血圧患者とも卒中・TIA既往のある患者では卒中のリスク減少となった。perindoprilとindapamide併用は peindopril単剤よりより降圧効果をしめし、よりリスク減少をもたらしす。血圧のそのものの値に関係なく2剤治療は今後卒中やTIA既往患者にルーチンに考慮されるべきである。 Lancet 2001; 358: 1033-41

コバシルは4mg/日(コバシル錠4mg 第一製薬 4mg1錠 207.40 )、indapamide は日本では2mg(外国2.5mg/日)(テナキシル錠1mg アズウェル 1mg1錠 16.00 テナキシル錠2mg アズウェル 2mg1錠 29.20 ナトリックス錠 京都薬品(住友製薬) 1mg1錠 16.00 ナトリックス錠2 京都薬品(住友製薬) 2mg1錠 30.30 )だそうです。

コバシル

テナキシル錠1mg/テナキシル錠2mg ナシンドレン錠ナトリックス錠/ナトリックス錠2
#でも、受診率低下したらもともこもないです。
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by internalmedicine | 2005-08-15 14:16 | 医療一般  

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