大豆中の内分泌攪乱物質が肺癌を抑制
2005年 09月 29日
私はみなかったのだが、昨日、ためしてガッテンで、豆乳に含まれる“イソフラボン”ということで、善玉として紹介されていたらしい。
http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/2005q3/20050928.html
“女性ホルモンに似た働き”ということで、おそらく、phytoestrogenのことを述べているのだろう。"内分泌攪乱化学物質としても取りざたされているphytoestrogen"と放送したらどうなったのだろうか? ・・・・環境左翼どもが騒いだかもしれない。
<phytoestrogenについて>
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Phytoestrogensは主にflavonoidsへ分類される。coumenstans、prenylated flavonoids、isoflavonesがこの分類の主な構成物
Lignanもphytoestrogenとされるが、それ自体はflavonoidではない。
この生化学物質のエストロジェン作用は女性ホルモンとの構造的類似性による。
引用:http://www.absoluteastronomy.com/encyclopedia/p/ph/phytoestrogens.htm
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“エストロゲン様作用を有する化学物質(xenoestrogen)というようだが、植物性ホルモン(phytoestrogens)やmycoestrogen のような、自然界にすでに存在する化学物質であり、内分泌攪乱化学物質問題に関しては、人や野生動物への影響を示唆する科学的報告が多くなされているものの、報告された異常と原因物質との因果関係、そうした異常が発生するメカニズム等に関してはいまだ十分には明らかにされていない状況にある。 ”という表記がWeb上みとめられるが・・・
ダイオキシン―神話の終焉 シリーズ・地球と人間の環境を考える(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4535048223/249-3087200-6276365)は良著だと思う。この本のように、“内分泌攪乱物質=すべて悪”という図式をNHKさんに崩壊してもらいたかったのだが・・
JAMAに食事性のphytoestrogenが肺癌リスク減少させるという話があった。
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Dietary Phytoestrogens and Lung Cancer Risk
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/full/294/12/1493
JAMA. 2005;294:1493-1504.
総phytosterols、isoflavones、lignans、phytoestrogens 最高4分位にて、肺癌リスクの減少
性差の影響がみとめられた。
どのphytoestrogen群でも男性では、有意にリスク減少する傾向が見られた。
最高4分位の予防的影響はphytosterolsで24%~isoflavoneの44%まで
女性では、総phytoestrogen摂取のみ有意な傾向あり、最高4分位にて34%であった。
非喫煙者・現行喫煙者では、phytoestrogenの高摂取の明かな防御効果が示されたが、喫煙経験者では認められなかった。
女性においては、ホルモン療法とphytoestrogen摂取のジョイント効果が有意に見られた。
特異的なことに、ligans enterolactoneやenterodiolの高摂取とホルモン治療の利用は50%(OR, 0.50; 95% CI, 0.31-0.68; P = .04 for interaction)ほど肺癌リスクを減少。
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最近人間が作り出した環境ホルモンとは違って、(食用)植物成分は太古の時代から人類の祖先によって、消費され、食生活の一部として「空気のような」存在になっており、自然そのものであるとも言える。
特定の物質の何らかの「生理活性作用」を問題にする時に、「標準食」と比べるわけだから、標準食に含まれるものは、比較のしようがないとも言える。
逆に、世界的に現在、イソフラボンの多い大豆を常食にしている日本を含む東南アジアの国々には、肉食の多い欧米と比較して乳癌の罹患率が有意にすくないという疫学的調査結果が着目されている。
(引用:http://home.hiroshima-u.ac.jp/shoyaku/member/yamasaki/ED.htm)
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これにそった結論だと思う・・・・
“自然のものだから安全”、“標準食に含まれるものは、比較のしようがない”という表現も目立つ。一方、太古からの風習である野焼きをダイオキシンを理由にやめさせられている現状がある。同じ理論から言えば、野焼きは悪くない・・・はず
野焼き ダイオキシンでgoogle検索すると、一方的に野焼きを「環境破壊を引き起こす悪質な環境犯罪」とされている。ほんとにそうなのか?
phytoestrogenとしては大豆を褒めそやし、野焼きとしてのダイオキシンは完全拒否はロジックとして現在一貫性がないと思うのだが・・・
by internalmedicine | 2005-09-29 12:06 | Quack