肥満手術の死亡率、トレンド、入院”などの評価


“肥満治療に関してBariatric surgery(肥満手術)がACPガイドラインで認められたとのこと”http://intmed.exblog.jp/1877954/

今回は、そのBariatric Surgeryの“手術死亡率、トレンド、入院”などの評価

今回のJAMAは肥満手術に関わる要因をいくつかの文献で検討。
1)後顧的コホート研究にて、Flumらは、Medicare beneficiaries間の1997-2002年の肥満手術による早期死亡のリスクを評価
30日、90日、1年死亡率は2.0%、2.8%、4.6%で、男性、年齢、surgeon volumeの低さ(訳者注 :医師の直近の手術経験数
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/294/15/1903?lookupType=volpage&vol=294&fp=1903&view=short
JAMA. 2005;294:1903-1908.

2)Santryらは、1998-2003年の肥満手術、患者は異型、院内合併症の国家的データから、1998年13365から2003年102177で、80%以上が女性、入院合併症率は研究期間は安定している。
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/294/15/1909?lookupType=volpage&vol=294&fp=1909&view=short
JAMA. 2005;294:1909-1917.

3)Zingmondらは、カリフォルニアの入院率と・適応をRoux-en-Y胃バイパス手術(RYGB)
RYGB前の1年と比べ手術後2倍の入院率。RYGB前の入院は主に肥満による合併症によるもので、RYGB後は手術に関連した入院であった。
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/294/15/1918?lookupType=volpage&vol=294&fp=1918&view=short
JAMA. 2005;294:1918-1924.
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肥満は死に至る重篤な疾患であることを考えれば、必要な病態というのはあり得る。
ただ、簡単にこの種の手術を考えるのは良くない。・・・おそらく、胃癌手術に炊けている日本の医者の方が成績は良いだろうが・・・




そういえば、脂肪吸引(liposuction)の方はというと・・・それもやはりリスクの問題があり、
米国皮膚科学会
http://www.aad.org/professionals/guidelines/Liposuction.htm
がある。

Klein らの報告(NEJM Volume 350:2549-2557 June 17, 2004 Number 25 )だと、心血管リスク、炎症性マーカー、インスリン抵抗性に関する効果は認められなかったことが報告され、肥満関連疾患に対する治療としては評価が下がった
しかし、pooled dataから、45名の閉経前肥満女性で、心血管炎症性、インスリン抵抗性を改善する報告(NEJM Volume 351:1354-1357 September 23, 2004 Number 13 http://content.nejm.org/cgi/content/full/351/13/1354)がある。
これでは、6ヶ月フォローで、炎症性マーカー・抗炎症性マーカーの改善が見られたとのこと。

安易な脂肪除去術への警告が、やや古いが報道されている。
(BBC:http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/945360.stm

いづれにせよ・・・ガイドラインに従った医療機関で、十分な事前説明にてリスク・効果の説明を受けた上での治療を勧める

by internalmedicine | 2005-10-19 11:44 | 動脈硬化/循環器

 

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