2世代(非定型薬、atypical)による死亡率増加

薬害オンブス***がでてきそうな・・・話

“薬害”の話になるのだが・・・

実地医療をしていないと、せん妄状態の怖さがわからない・・・原疾患増悪のため入院になった患者から「殺すぞ」とかいわれたり、まぁなれている医者でも ぞっとした経験があるのでは・・・入院患者をみない医者はその深刻さがわからないのかもしれない。
リスパダールを使って、次の日は、その患者と談笑している場合などは、昨日の夜の悪夢はいったい何だったんだろうと・・・そして、この種の薬物に感謝することが多々ある。もちろん、医療者としてだけでなく、患者のQOLや治療adherenceなどを考えての感謝である


さて、前置きはそれくらいにして・・・・

Risk of Death With Atypical Antipsychotic Drug Treatment for Dementia
Meta-analysis of Randomized Placebo-Controlled Trials
JAMA. 2005;294:1934-1943.
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/294/15/1934
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非定型的抗精神病薬は、アルツハイマーや他の認知症患者に対して、 in people with Alzheimer disease and other dementiaといったものに使われる。
しかし、脳血管疾患副作用、認知機能低下、死亡率に関するリスク増加に関して関心が高まっている。
15のトライアル(9つの非出版データ)、10-12週間、16種類の薬剤:
aripiprazole [n = 3], olanzapine [n = 5], quetiapine [n = 3], risperidone [n = 5])
:3353名の患者で、1757名がプラセボ

ドロップアウトに相違なし
死亡例がランダム化薬剤割り当て群に多い(118 [3.5%] vs 40 [2.3%].

メタ・アナリシスによるORは1.54; 95% CI 1.06-2.23; P = .02; risk difference 0.01; 95% CI, 0.004-0.02; P = .01).

Sensitivity analysesで、個々の薬剤、 重症度、サンプル抽出、診断という項目でリスク相違のエビデンス証明できず。

<結論>
非定型性抗精神薬はプラセボに比べて死亡リスク増加軽度関連
薬剤必要性、効果エビデンス、薬剤による合併症、代換治療の有効性と安全性を考え処方されるべき。
個々患者の分析、生存・死亡原因の分析が必要。
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少々解説を・・・・(素人なので引用の羅列)
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第1世代のD2受容体遮断薬(定型、typical)は、陽性症状に効くが、陰性症状に効き難く、また錐体外路症状などの副作用がでる。しかし、第2世代(非定型薬、atypical)は、D2受容体遮断よりも、5-HT2A受容体遮断作用が強く、陰性症状の改善や、錐体外路症状の
副作用が少ないのが特徴
である。(http://pharma1.med.osaka-u.ac.jp/textbook/Antipsychotic/Antipsychotic.html

heterocyclic系
SDA (serotonin-dopamine antagonist)
D2と5-HT2Aの遮断作用がある。従来の治療薬に不耐性患者や初回エピソード患者に使用する。
;risperidone
;perospirone 
;quetiapine 
;olanzapine 

Quinolinone系
シナプス後D2の弱い遮断作用だけでなく、シナプス前D2(自己受容体)の刺激作用(partial agonist)として働く 。
;aripiprazole

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Aripiprazole:
有意角ドパミンパーシャルアゴニスト。
パーシャルアゴニストとは,内因活性(intrinsic activity)が,神経伝達物質であるドパミンよりも低い性質を有するものである・・・haloperidolと同等の抗陽性症状効果を有し,さらに陰性症状にも効果を有している。しかもEPSの発現は低く,プロラクチンの上昇やQTcの延長を認めず,第二世代抗精神病薬を凌駕するものと考えられ・・・
http://www.seiwa-pb.co.jp/search/bo01/bo0103/bn/07/11u.html

Clozaril(Clozapine)
 1990年に使用が開始されたClozarilは,最初の非定型抗精神病薬・・・Clozarilは,従来型抗精神病薬に反応しない患者さんの25% ―50%に効果を現します。・・・Clozaril 服用者の1%以内に,感染症から身を守る働きをしている白血球の数の低下・・・より安全な抗精神病薬が2剤以上効かなかった場合に限りClozarilを用いることを勧めています。
http://72.14.203.104/search?q=cache:MoreoKCZvpAJ:www.mental.ne.jp/kiso/introduction/intro1999_2.htm+clozapine&hl=ja&lr=lang_ja

Olanzapine(ジプレキサ)
http://www.yakubutsuryoho-center.jp/cgi-bin/shinyaku/detail.cgi?id=57
警告:糖尿病関係
http://www.google.co.jp/search?hs=ucP&hl=ja&c2coff=1&client=firefox-a&rls=org.mozilla%3Aja-JP%3Aofficial&q=%E3%82%B8%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%AD%E3%82%B5%E3%80%80%E8%AD%A6%E5%91%8A&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=lang_ja

Quetiapine
Quetiapine はdibenzothiazepine誘導体の新世代の抗精神病薬である.抗ドパミン作用は弱く,常用量の上限750mg/日を使用しても錐体外路症状はまず出現しない.ただし,抗ヒスタミン作用が比較的強いため眠気が生じやすく日中の使用には限界がある.眠前に使用すると良好な結果が得られることが多い.
http://plaza.umin.ac.jp/JPS1927/fpj/topic/topic_121_4_279.htm


risperidone(リスパダール)
ヤンセン社(ベルギー)が開発した初めてのベンズイソオキサゾール骨格を有する抗精神病薬SDA(セロトニン・ドパミン・アンタゴニスト)
ヤンセンファーマC:http://www.janssen.co.jp/inforest/di/ris?product=ris

幻覚、妄想に改善効果
感情的引きこもり、情動鈍麻などの症状改善
副作用の発現率は29.30%(1183/4038例)
主なものはアカシジア201件(4.98%)、不眠(症)173件(4.28%)、便秘111件(2.75%)、振戦108件(2.67%)、流涎103件(2.55%)、眠気100件(2.48%)、不安98件(2.43%)、筋強剛92件(2.28%)、焦躁感87件(2.15%)、倦怠(感)84件(2.08%)
重大な副作用としてSyndrome malin(悪性症候群)、遅発性ジスキネジア、麻痺性イレウス、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、肝機能障害、黄疸、横紋筋融解症、不整脈、脳血管障害

ziprasidone
非定型の向精神薬である ziprasidone は、強力な 5-HT 1A 受容体アンタゴニストであり、5-HT1D、 5-HT2、そしてドパーミン D2 レセプターに対して強い親和性を持っています。最近、SSRIs による治療効果のなかった大うつ病患者に ziprasidone を投与し・・・
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/294/15/1934

by internalmedicine | 2005-10-21 10:41 | 医療一般  

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