男性更年期のアンドロゲン補充療法・・・・エビデンス無し、リスク可能性大

libidoの減少、バイタリティー感覚の低下など、ED、筋肉量の減少、骨塩減少、貧血などと言った症状のとき、テストステロン減少が意味があるとして、“hypogonadism”という臨床所見が最近言われている。年齢とともに出現する場合、男性更年期(andropause)とかアンドロゲン欠損症などといわれているのがそれである。
テストステロン補充療法のリスクとモニタリングの推奨Risks of Testosterone-Replacement Therapy and Recommendations for Monitoring

アンドロゲン薬の副作用
呼吸器系:睡眠時無呼吸
皮膚:座そう(にきび)、局所薬剤の過敏反応
胸部:女性化乳房
心血管:
冠動脈疾患:エビデンスなし
脂質:精神的・心理的
赤血球増多:感染症時特に多い
液貯留
前立腺:
前立腺肥大:まれ
前立腺がん:理論的にはありえるが、未解明
精巣:
萎縮・不妊:通常ありえる



“男性更年期”という考えは非常に混乱をもたらしている。治療の位置づけに一定の見解がなかったので、上記論文は内科医への心配を緩和したものです。
標準化した定義も存在せず、無作為化された、男性ホルモン治療の検討もありません。特に、前立腺がんとの関係は Rhoden・Morgentalerらのシェーマからも心配されますが、治験もなされておらず、未解明です。
米国食品医薬品局(FDA)はこの条件下のテストステロン投与を認可していないのです。
http://content.nejm.org/cgi/content/full/350/19/2004



“男性更年期”なるものが存在するかという議論も存在するのだが、
50歳台以上の男性の半数はアンドロゲン低下しているわけで、アンドロゲンが減少すれば老化するのかというとそれは違うでしょう。中年の危機:“mid-age crisis”としての老化への一現象の一つということになると私は考えております。
男性更年期を予防することが老化防止につながると、ミスリードしている記述が目立ちます。少々危険なのでは・・・

本家本元の、女性更年期でさえ、ホルモン補充療法は窮地に立たされているのですから・・・(エストロゲンは疾患予防効果なし

婦人科で男性更年期の治療をしているところを知ってますが、漢方薬でお茶を濁しているか、男性ホルモン薬を処方しているようですが・・・リスクのinfomationを行っているのでしょうか?そもそも保険適応外ですし・・・

by internalmedicine | 2004-05-06 12:24 | 医学  

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