転換性障害・ヒステリーと診断してしまったケースの誤診率の歴史的推移

以前“ヒステリー”、今、“転換性障害・症状”と診断され、その後、誤診と判明して率は、1960年代後半には数%まで減少したが、その後変化がないとのこと。


転換症状:“conversion symptom":転換性障害では、心理的な葛藤によって引き起こされた身体症状が無意識の中で転換され、神経障害に似た症状として現れます。
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec07/ch099/ch099c.html



<論文>
Systematic review of misdiagnosis of conversion symptoms and "hysteria"
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/bmj;331/7523/989
BMJ 2005;331:989 (29 October)

<解説>
転換症状と診断された患者のうち、卒中のような精神的疾患でない疾患を精神的な疾患(ヒステリー)が1950年代に約1/3で、1970年代に4%と誤診されているが、それが今も続いている。
StonesらのSRで、1500名の運動・感覚徴候を有する約1500名の成人、27の研究で中央値5年のフォローアップで診断されたものを対象。誤診は主に歩行・移動異常で、精神的疾患の既往がある場合に生じやすく、CTの診断では診断正確性を改善させなかった。

疾患によって説明不能である---麻痺・けいれん・視力障害などの運動感覚症状を有する患者は入院・外来にて1-9%神経学診療においてみられ、まだcommonplaceである。
現代の精神診断分類、DSM-IVやICD-10では、神経学的診断を示唆するが疾患やmalingering(仮病)ではないとされる疾患は“conversion disorder”という言葉を使用する
“心理的要因による(psychogenic)”、“器質的でない(non-organic)”、“ヒステリー性(hysterical)”、“医学的に説明不能(medically unexplained)”、時に“機能的(functional)”と呼ばれ、転換症状と神経学専門家は呼ぶ。
転換症状の診断をすることは容易でないと医師たちは感じている。
誤診が容認できないほどcommonであると示唆する研究が一部にある。
1965年Slaterらの研究がよく知られており、“ヒステリー”とされた患者の33%の誤診率と報告。この診断は“欺瞞・わな”意外な煮物でもないと警告をもって結論づけている。

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この“ヒステリー”という言葉は、解離性障害と身体表現性障害に分類され、姿を消したはずですが、“一般用語のヒステリー”などが残存しており、まぁ いづれにせよ病院ではヒステリーという言葉は避けた方が良さそうである。

by internalmedicine | 2005-10-28 10:09 | 医療一般  

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