日本特有のスタチン一次予防無効説について
2005年 10月 31日
コレステロールはホントに悪いのか・・・という疑問が各所からあがってるようです。コレステロールを下げることのできる薬ができてから・・・一次予防にホントに用いて良いのか・・と
私は、いまのところ、コレステロール一次予防(合併症のない状態での予防)を是とするのに納得できる意見はあっても、否とする納得できる文献に出くわしたことがありません。
大規模研究をするためには大金が必要、故に、製薬会社がスポンサーとなる大規模研究は、メーカー有利になる報告をするという疑念があります。そういう疑念を常に持つことは大事なことでしょうし、各製薬会社はそういう疑念を払拭するような客観性あるランダム化試験を行うべきです。
さて、J-LIT研究がアンチ・高脂血症グループの聖典のようですが、これはもともとエビデンスレベルの低い横断調査に過ぎず、どこぞの大学教授たちが検診時にまとめたデータも横断調査に過ぎないのです。
さらに、検診時データをサンプルにして鬼の首をとったように紙面に発表するのも恥ずかしい限りです。・・・こういうことを平気で新聞記事に発表させるのは、功名心・虚栄心なのか、Quackery的な作られた薬物悪者主義への教義のためなのか・・・
一般的な新聞読者というのは残念ながらリテラシーを持ちません。そして、インターネット上の情報へもリテラシーを同様です。
公害報道やワクチン接種禍などの会社・権威団体は悪いことをするという固定観念がメディアにはあるのか、あるいは、そういうことが新聞購読者を増やすからなのかわかりませんが、アンチ薬剤に一辺倒のメディアと、無批判に受容する読者、最近はインターネット・ブロガーがそれを加速しているようです。
諸外国には一次予防に対するスタチンのメタアナリシスやその文献が偏ってるかどうかのfunnel methodの報告がすでになされております。
その結論は一様に、“funnel plot で非対称性は認め、特にQualityの乏しい、小さい研究においては過大評価があるが、小規模研究を除いた感度分析でも総括的な結論は変わらない一次予防効果がある”ということです。少なくとも、諸外国においては、スタチンの虚血性疾患に対して疑念を抱く研究は少ないのです。疑念をいだくのは例の薬害啓発グループと、そのやり口が未だに批評できない表層的な考えしかできない医師たちです。このグループに最近、コンピュータ分析を得意とする先生が援軍として参入したようですが、あの文献も、検診ベース・・・これでは・・・諸外国のhigh quality studyを批判しようがない。
まともな、Qualityの研究で批判してほしい・・・・と思うのです。
by internalmedicine | 2005-10-31 21:00 | 動脈硬化/循環器
