COPD世界・アジア・日本の状況・禁煙は重要・COPDセンターが必要など

なんで日本のことなのにLancetをみなきゃならんのだ・・・ということはさておき

COPDは世界的に主な死因になったが、今後20年も増え続けるだ老。しかし、地域により事情が異なる。米国やヨーロッパは今後20年増えるがその後はプラトーとなるだ老。しかし、日本やアジアは40年以上増えつづけるだろう。世界のもっとも大きな生産国、中国などは20年間劇的にたばこ消費が増え続けている。中国は1952年一人あたり1日1本なのが、1990年には10本となり、米国の40年前の水準となった。COPDの頻度は人口の3%だが、今後10%まで増えるだろう。
日本では、1997年の22万人のCOPD患者がいることが判明、NIPPON COPD疫学調査では530万人以上、40歳以上の人口の8.5%がCOPDと診断されるべき状態。
たばこ消費量は若年女性で増え続けている。
(The Lancet Vol 362 Nov 22, 2003 p1764から抜粋、S.Teramoto et.al. 引用元)


◆ 禁煙に対する介入は非常に重要 ◆
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◎1秒量減少
非喫煙者は年間約30ml/年
喫煙者は年間約60ml/年
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これがゴールデンスタンダード


通常ケア群(UC)と禁煙指導群(SI)の差をみてください。


引用:Smoking and lung function of Lung Health Study participants after 11 years.


◆ COPD患者への吸入ステロイドの効果 ◆
Inhaled corticosteroids reduce the progression of airflow limitation in chronic obstructive pulmonary disease: a meta-analysis
Thorax 2003;58;937-941
8つの2年以上の臨床治験トライアルのメタ分析で、吸入ステロイドは1秒量減少率を年間7.7ml減少させる。高用量レジメンの方が9.9ml/年と効果が良い。
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ということは、BDP換算800μg/日以上がCOPDではベースということ!

◎1秒量減少
非喫煙者は年間約30ml/年
喫煙者は年間約60ml/年



◆ COPD急性増悪では、病院規模・種類、リソースにより死亡率が変わるという証拠 ◆
Evidence for a link between mortality in acute COPD and hospital type and resources
Thorax 2003;58:947-949
教育病院、600床以上の大病院と、600床未満の小(!)病院で比較。

死亡率は小さい病院で17.5%、大きい病院で11.2%、教育病院で11.9%
小さい病院での過剰死亡はOR1.56(CI 1.04-2.35)。
小さい病院はもっともリソースが少ない。
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COPD急性悪化の患者管理にはリソースを充実させないと無理。センター化が必要。

ということだ・・・・役人ども!!!
センターをつぶし続けているが、大規模専門施設が必要なんだ!

by internalmedicine | 2004-05-11 21:54 | 呼吸器系  

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