前後比較の研究結果で税金注入するのか?

わたしは、この記事をみて・・・あきれた。

新聞記者というのはその科学的根拠のウェイトというのがわかってない。科学的根拠のヒエラルキーの低さに関わらず、それを無視して、税金注入する愚挙を促進させるつもりなのか?

小学生のアトピー、昼休みシャワーで改善 厚労省研究班
http://www.asahi.com/health/news/TKY200511190249.html
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望月さんらは・・・アトピー性皮膚炎の児童延べ53人(平均8.8歳)を対象に、平日の昼休みに3~5分ほど温水のシャワーを学校で浴びてもらい、効果を調べた・・・・全身を25の部分に分け、場所ごとに強い症状は2点、弱い症状は1点、症状なしは0点と、計50点満点で評価したところ、全員が改善し、シャワー実施前は平均11.2点だったのが6週間後には4.0点と、7.2点も症状が軽くなった。
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前後比較の研究で、マスコミ報道かぁ・・・厚労省研究班というところもレベルが高いことで・・・

横断的研究のなかでも、特に問題ある前後比較だけの報告であり、エビデンスレベルのかなり低い研究である・・・こんな研究で多大な税金をかける根拠にしてほしくない。するのであれば対照をちゃんととった研究で検討してから、記事にしてほしいものである。


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アトピーに限らず症状が変動するものは、悪意が有れば、一番季節性に悪化する時期に研究開始し、改善する時期にその効果を判定する。

たとえば、デタラメリアンという治療法を私は開発した。
この治療法はご利益がある。朝起きたら“デタラメリアン”と3回大声で叫ぶのである。

これを秋口に喘息患者に開始して、夏に効果判定するのである。
そうすると、この“デタラメリアン”治療効果は認められるであろう。
なぜなら、もともと、夏場は症状が落ち着く人が多いから・・・
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前後比較の研究なんて、この程度のものだろう・・・
特に、季節性の症状変動があるアトピー性皮膚炎も・・・


MR配付資料:単なる前後比較の論文
http://intmed.exblog.jp/1842619/

by internalmedicine | 2005-11-21 11:08 | メディア問題  

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