高ホモシステイン血症と骨折しやすさは関係有り
2004年 05月 13日
動脈硬化と高ホモシステイン血症との関係は常識化しているようです。
ちょっと脱線ですが、ホモシステインとホモシスチンとまちがえるな、という指摘が前にあるようです。
→検索するとでてくるようです →ここ
わたしも時々やるのですが、注意しないと、信頼性を失いますよね。
それはさておき、高代謝回転性だから、ホモシステインが高いのではなかろうかと思うのですが、実は、骨塩そのものとの関連より、直接、骨折しやすさと関係しているらしいということが重要なようです。
1)Homocysteine Levels and the Risk of Osteoporotic Fracture
NEJM Volume 350:2033-2041 May 13, 2004 Number 20
2)Homocysteine as a Predictive Factor for Hip Fracture in Older Persons
NEJM Volume 350:2042-2049 May 13, 2004 Number 20
まれな常染色体劣性遺伝の疾患であるホモシステイン尿症の患者では、、頻繁に骨粗鬆症、骨折が生じる。ホモシステイン値と骨折の関係をしらべるきっかけになったようである。ホモシステインをlog化して1SD毎に1.4(95%CI 1.2-1.7)の多変量補正相対リスクとなる。
ホモシステインが直接、骨折のしやすさと関係しているとしたら・・・その機序はということでかかれている一文ですが・・(どうも私自身は納得がいきません・・)
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仮説ですが、ホモシステイン値と骨折のリスクのメカニズムは膠原線維のクロスリンクに関係のため?ホモシステインは特異的に膠原線維のクロスリンクと線維の溶解に関係。
ホモシステイン尿症の患者で膠原線維のクロスリンクが少ないことが判明、高ホモシステイン血症をしめす。膠原線維の安定性、強靱性に重要なので、骨基質に影響をあたえ、その結果、骨折しやすい骨となっているのでは無かろうか?
高ホモシステイン血症値は、膠原線維のクロスリンクの関与により骨折ののリスク増大
また、骨の微小構造の発達に関与しているのではなかろうか。別の共著でホモシステインと骨密度との関係は見出せなかったことを注目している。
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葉酸、ビタミンB6・B12の投与による高ホモシステイン血症改善が骨折予防に働くかどうか、まあ動脈硬化改善にもつながるので問題はないと考えますが・・・
by internalmedicine | 2004-05-13 11:18 | 医学