胸痛の原因診断

米国では医療過誤の賠償金に上限を設けられているが、日本の医者に世界的に見てももとも厳しい制度で偉業を続けていることとなったわけであるが、
医者側の保身対応は手ぬるいのではないかと思う。各疾患のマニュアル化をすすめるべきだと私は思う。胸痛診断というのは、心筋梗塞などの心疾患イベント、肺塞栓、肺炎など生命に関わるものも多い。これらを救急センターで如何にリスクを少なく、効率的に診断するかが問題。


最近発表された、アメリカ家庭医学会の記載を一部要約
(AFP: http://www.aafp.org/afp/20051115/2012.html

エビデンス・レベルA
1)Wellスコア<2 と d-Dimer正常なら肺塞栓は否定

2)d-Dimer もしくは Wellsスコアが中等度~高度リスク、ヘリカルCT・下肢静脈超音波検査にて異常がある場合は、PEを除外診断必要

3)Diehr診断ルールは臨床的に肺炎の可能性をする場合の尤度推定に推奨される

4)Dukesトレッドミル・スコアは負荷心電図施行患者の長期予後推定に役立つ


エビデンス・レベルC:
1)2つの設問にてパニック障害を除外すべき
質問:ANS(Autonomic Nervous System Questionnaire)
  2つのゲーティング
   ・直前6ヶ月に不安発作(anxiety attack)
   ・直前6ヶ月に身体症状(動悸、めまい(dizziness)、息切れなど)の説明できない発作(unexplained paroxysm)



2)胸痛を有する患者はST部位の上昇、Q波、伝導障害などの心電図評価すべき。結果は以前の心電図と比較すべき

3)血清トロポニン値検査は、MIの補助診断に推奨し、30日以内の死亡・再発MIの尤度を推測

4)胸痛および初期の心電図評価異常なしの場合、リスクの状態に応じて負荷心電図・血流スキャン、血管造影をすべきである。



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肺塞栓診断のためのWells Model
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DVTの臨床徴候と所見 (i.e.下肢腫張、深部静脈の蝕知する腫張と痛みに関する客観的な測定) 3

他の診断よりPEらしい時 3

心拍が100/分を超える場合 1.5

Immobilization (i.e.3連続日のバスルーム以外のベッド安静、過去4週間以内の手術) 1.5
DVTやPEの客観的な診断の既往 1.5

喀血 1

悪性腫瘍疾患 (過去6ヶ月以内の癌治療もしくは緩和治療) 1
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成人急性咳嗽における肺炎診断のためのDiehr Rule
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所見 点数
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鼻汁 -2
咽頭痛 -1
筋肉痛 1
夜間発汗 1
終日の痰 1
分時呼吸数>25 2
体温>37.8度 2



総得点 肺炎の可能性
-3 0.0
-2 0.7
-1 1.6
0 2.2
1 8.8
2 10.3
3 25.0
?4 29.4
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Dukeトレッドミルスコア:運動時間(分) - (5 * ST低下 [mm]) - (4 * 狭心症スコア)
 
 狭心症スコア:テスト中狭心症症状無し = 0, 典型的狭心症 = 1, 狭心症症状にて検査ストップ = 2



<7年生存率>

スコア リスク 正常心電図 異常心電図
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> 5 Low 95 91
-10 to 4 Medium 91 80
< -11 High 78 78
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by internalmedicine | 2005-11-30 13:45 | 医療一般  

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