少量・中等量アルコールはほんとに健康によいのか 何か裏がある
2005年 12月 02日
Alcohol and ischaemic heart disease(アルコールと虚血性心疾患): probably no free lunch(なにか裏がある)
The Lancet 2005; 366:1911-1912
四半世紀前、St Legerらは、IHD死亡とアルコール消費の逆相関関係をしてした論文が発表された。Lancet 1989; 1:1017.(http://www.thelancet.com/journals/lancet/medline/record/MDLN.2565490)
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1990年に、Ellisonらは、“少量から中等量のアルコールが健康によい”と変化
(meta-analysis. Addiction 2000; 95: 1505-1523.
http://www.thelancet.com/journals/lancet/medline/record/MDLN.11070527)
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非ランダマイズ化非対照化による知見のみが増加する“windows of protection”によるもで、多くの論文が作られた。
たとえば、アルコール禁止されて飲酒してない患者が、ex-drinkerと分類されている可能性をShaperらは指摘(Lancet 1988; 2: 1267-1273)・・・非アルコール摂取者のCVリスク増加があった。
少量から中等量の飲酒による冠動脈疾患の予防効果は非常に小さく、有害性に重きが置かれてない。中等量から大量の飲酒が冠動脈疾患予防的に働くだろうが、有害性がその利益を上回る。
アルコールの健康に対する有効性が有害性を上回るというのは・・・おそらく“no free lunch”
うまい話にはなにか裏がある
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忘年会シーズンだが、飲酒自体が健康に一方的に良いという科学的根拠はないということを肝に銘じてほしいものである。
糖尿病患者にとって大量飲酒が動脈硬化促進となる根拠
http://intmed.exblog.jp/2057493/
アルコールは果たして百薬の長か・・・
http://intmed.exblog.jp/1022948/
by internalmedicine | 2005-12-02 23:55 | 動脈硬化/循環器