拡張心不全の新しい定義・・・
2005年 12月 05日
心不全は一般的には正常もしくは異常の左室駆出率でも生じるもので、正常の左室駆出率時の心不全は、駆出率低下の心不全と異なる部分として、心室リモデリング、心室機能、予後、メカニズム、病態生理が異なるといわれている。また、左室駆出率低下と拡張性の心不全の合併時の病態描出が問題となる。
この拡張期性の心不全に新しい仮説と定義がなされようとしているようであり、具体的なイメージになってきたようである。
Mayo Clinic researchers redefining how heart functions
http://www.mayoclinic.org/news2005-rst/3133.html
左室駆出血液が全身の血管へ動くときに、良好にシンクロされた電気的・器械的waveが心尖部から心基部へ動く。弛緩(拡張期)は以前考えられていたよりも重要であり、拡張期はacitiveな時相とpassiveな時相の、expansion phaseからなりたつ。これが心腔内のポンプ作用をみたすのに有効となる。もっとも新しい発見は、active relaxation phaseの付加的な寄与、すなわち、ポンプ機能をはたす心腔外表面にもっとも近い筋層による機能が確認されたことである。簡単に言うと、外層の心筋は、twisting contraction後の左室の包みをとくような(unwrap)作用が有るといえるとのべている。
発表予定:Jan. 3, 2005, issue of the Journal of the American College of Cardiology:http://www.cardiosource.com/index.aspと書かれている。
NEJM(http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/350/19/1953)の説明(再掲)
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拡張期のpassive stiffness(受動的な堅さ)の計算:Calculation of Passive Diastolic Stiffness
3つの左室拡張期性の圧容量関係を用いて評価
1)拡張期終末圧・容量
2)拡張前期圧・容量
3)最小拡張期圧時の圧・容量
拡張期性圧容量関係は、次の対数計算式で示される
P=Ae{βv}:Pは左室拡張期圧、Vは拡張期左室容量、Aとβは、passive stiffnessを表す定数

拡張期性の心不全の患者では左室弛緩のrateが低下するだろうという想定で、拡張期早期に心筋の十分な拡張を量がする
左室最小拡張期圧の時点での不十分な弛緩、すなわち、心筋の拡張早期の十分な弛緩の方が、左室の純粋なpassive stiffnessを凌駕してしまうこととなる。
故に、左室最小拡張期圧の補正値が必要となり、測定圧から、遅れた(or 不十分な)弛緩部分を差し引く必要が出てくる。
左室最小拡張期圧が受動的な圧を超過したときにそれをslowed relaxationに寄与と仮定して、圧-容量曲線が書かれたもの

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ちなみに、拡張性心不全の診断でBNPは有効だが、管理方法としては認められていても、診断方法としては認められてない。
・・・BNP精密測定は、「入院外の患者については心不全の病態把握のために実施した場合に月1回に限り算定する」とあり心不全の疑い病名での算定は妥当でないと判断される(http://www.medicom-solution.co.jp/hoken_qa/hoken_qa.html)・・・・早急に改善してもらいたい
by internalmedicine | 2005-12-05 12:07 | 動脈硬化/循環器
