末梢動脈疾患(PAD)マネージメントUSガイドライン

ACC/AHAはジョイントで、PAD、下肢・腸管・大動脈に特化したマネージメントガイドラインを発表されたとのこと・・・

ACC PDF

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<ポイント>
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1) 末梢性動脈疾患の隠れたサインを見つけるための質問と観察
・腎血管狭窄が有るかもしれない患者の臨床的てがかり

2) 手術、カテーテルベースの治療とするか、“厳重観察”とするか、どれがベストであるか動脈瘤治療においての推奨事項

3) 血管画像診断や他の診断方法の長所・短所のcriticalな分析

4) 運動・食事・禁煙・薬物を含む治療選択、手術・カテーテルベースの治療の利点と結点の客観的なレビュー
5) 臨床的な意志決定をガイドするための臨床的pathwayや治療アルゴリズム
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1. 下肢PADのリスクを有するものは歩行障害、間欠性跛行、虚血性安静時痛、 and/or 非治癒性の傷の存在に関わる症状をレビューしなければならない。(Level of Evidence: C)
2. 下肢PADのリスクを有するものは、包括的な下肢の脈拍動の検査と観察を行わなければならない(Level of Evidence: C)
3. 腹部大動脈の近親者がいる家族歴があるかどうかを50歳が超えた場合聴取しなければならない。(Level of Evidence: C)

4. 歩行障害、間欠性跛行、虚血性安静時痛、and/or 非治癒性創傷は、動脈硬化リスク要因をもつ50歳以上の成人と70歳以上のすべてに対して標準的なレビューとして推奨される。(Level of Evidence: C)

5. 無症候性の下肢padのヒトは、検査 and/or ABIで見つけ出されなければならない。MIや卒中、脂肪リスク増加を減らすとしられる治療的介入を与えることができる(Level of Evidence:B)

6. 禁煙、脂質低下、糖尿病、高血圧治療は、現在の国際的な治療ガイドラインによれば無症候性PAD患者に推奨される(Level of Evidence: B)

7. 抗血小板治療は、無症候性PAD患者に適応があり、虚血性心血管イベントなどのリスク減少に繋がる。(Level of Evidence: C)

8. 下肢PADのリスクを有する下肢PAD診断は、典型的な間欠性跛行を有さない場合、動脈硬化の臨床的証拠がない場合に、有益であろう。(Level of Evidence: C)

9. toe-brachial index や pulse volume recording measurementが下肢PAD診断に有効であろう。ABI>1.30で他の動脈硬化所見がない場合の診断に有効。(Level ofEvidence: C)

10. ACE阻害剤が無症候性下肢PAD患者に対するCVリスク減少に有効(Level of Evidence: C)

11. 間欠性跛行の症状がある患者の場合、血管の身体所見検査、ABIを含む検査が必要(Level of Evidence: B)

12. 間欠性跛行の症状がある患者の場合、もし安静時のIdexが性状なら、ABIは運動後に測定すべきである。(Level of Evidence: B)

13. 間欠性跛行の症状がある患者の場合、血行再建術をする前に、症状改善の十分な尤度があるかどうかの機能的評価と、もし間欠性跛行が改善されても運動制限なされるであろう他の疾患がないこと(狭心症、心不全、慢性呼吸器疾患、整形外科的疾患など)を評価しなければならない(Level of Evidence: C)

14. 血管内・手術治療を行う間欠性跛行を有する患者は、
(a) superviseされた間欠性跛行に対する運動・薬物治療に関する情報を十分に与えること
(b) 包括的なリスク要因修正と抗血小板治療を受けること
(c) 通常の業務ができないとか、重篤な活動性を制限する重篤な障害があること
(d) 再疎通により低リスクで、初期効果・長期効果の見込みが得られる患者(Level of Evidence: C)

15. 運動負荷後のABIが正常なヒトに動脈造影の適応はない。このことは他の原因(entrapment syndromeや腸骨動脈閉塞)が疑えるならその限りではない(Level of Evidence: C)

・・・・・等と続く・・・)

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運動負荷試験後ABIがガイドラインにも記載されたわけで、
今後は積極的にPADリスク有る患者には検査が必要



ABI測定で正常ならPWV評価も正当化できる可能性もある。ただ、PWV/ABIは、保険で、過剰請求とされている。ABIは高齢者の場合はすべて保険で認められるべきで、糖尿病有歴の有る場合も当然。リスク層別化がはっきりなされている場合はPWV/ABIも認められるべき。

一時期マスコミが騒いでいた過剰請求とやらに一方的に見なされるわけで、なんか医者ってまともに医療すればするほど犯罪者呼ばわりされる商売・・・厭世的な医者が増えてきたというのも当然。

by internalmedicine | 2005-12-12 15:18 | 動脈硬化/循環器

 

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