インフルエンザ interpandemic period

アメリカにおける小児インフルエンザ関連死(検査確定による)のNEJMのEditorialに、現時点の主に小児のインフルエンザに対する話が掲載されている。

しかしながら、入院リスクへ及ぼす影響は小児より成人、より高齢者にそのリスクが高くなる。

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米国ではこの影響に(結果的に!)忠実にワクチン接種適応を広げてきたのである。日本は逆であって、学童期から始めたのが効果を疑われる事例となり、反ワクチン運動家にうまくしてやられた経緯に繋がるのではないかと思っている(もっとも後述するように学童集団ワクチンは集団的な感染防御手段になっていたという事実もあるが・・・)。



アメリカにおける小児インフルエンザ関連死(検査確定による) の 論評に interpandemicという言葉が使われていた。これは以下の流行段階期であり、しばらく前までマスコミに大きく取り上げられていたものである。

WHO御認定のインフルエンザの流行段階期・・・・Current WHO phase of pandemic alert

WHOでは新型インフルエンザの発生段階に由来する言葉
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  パンデミック間期:Interpandemic period
  ●フェーズ1:新たな亜種のインフルエンザウイルスが動物において存在し
    ている可能性があるが、ヒトへの感染リスクは小さい。

  ●フェーズ2:人間にとって新たな亜種のインフルエンザウイルスが動物に
    おいて存在しており、ヒトへの感染リスクがある。

  パンデミックアラート期:Pandemic alert period
  ●フェーズ3:新しい亜種によるヒト感染が見られるが、ヒト-ヒト感染は
    殆ど見られないか、あるいは非常にまれにみられる。

  ●フェーズ4:限られたヒト-ヒト感染が起こっているが、感染拡大は限定
    されている。

  ●フェーズ5:より大きな集団でのヒト-ヒト感染が見られるが、感染は依
    然限定的である。ウイルスはまだ完全にはヒト-ヒト感染の伝播確立に
    至っていない

  パンデミック期:Pandemic period
  ●フェーズ6:ヒト-ヒト感染が増加・持続している。
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インフルエンザはpandemicとinterpandemicという形態をとる。幸運なことに重症疾患の世界的な流行と定義されるpandemicsは頻回ではない。Interpandemicなインフルエンザは、インパクトこそ少ないものの、毎年現実に起きている。鳥インフルエンザ(H5N1)感染の広がりとヒトの疾患の集積への関心が、pnademicの関心ととも、広がっている。しかし、interpandemicなインフルエンザは実質的な効果、集積性の流行、個々の流行という意味合いを持つ。そして、伝播・病展性・効果的なコントロール測定について多くのことを教えてくれる。
1977年のH1N1のpandemic以来、interpandemicな疾患が広範な・重症な良好として毎年生じている。1979年から2001年にかけて平均226000の入院がUS内では毎年生じ、1990年から1999年まで約325000名の患者がインフルエンザ関連肺・循環器系疾患でUS内死亡。
入院・死亡のほとんどは65歳以上、肺・心臓疾患や他の基礎疾患を有するものである。
細菌、小児のインフルエンザの重要性が認識され始めてきた。これは、高リスク患者の老人と同等かそれ以上の入院率・インフルエンザ関連疾患率を持つ
このため、ACIPは、6-23ヶ月齢の子供すべてに毎年のインフルエンザワクチンを現在は推奨するようになった。
インフルエンザ感染に関する致死的病態、。特に、健康人に生じた激症型のケースは十分にその病態が把握されていない。内因性の病的要因、宿主免疫、他の宿主反応、他の病因の合併、他の要因なのかそれぞれのケースでの状態がはっきりわかってない。
2003-2004年のインフルエンザシーズンは小児においてH3N2のサブタイプであり、H1N1より重症名状態が多いように思われた。
実験モデルやヒトの一部でのインフルエンザの研究にて、前炎症性サイトカイン、特にtype I インターフェロン、TNFα、IL-6、IL-8の誘導と全身性疾患との関連が取りざた差rている。重症例の病態整理を明確化する必要性と宿主反応に向かう治療に有益性が有るかどうか決定することが必要である。
抗ウィルス薬が登場したが、合併症のない、自己完結的なインフルエなのケースで主に確立しているもので、生命危機に至る状態の治療・予防に役立つかどうかは不明である。
Oseltamivirのメタアナリシスで、抗生剤使用や入院率を引き下げるという報告がある。
1歳の子供にアマンタジンやOseltamivirが認可されており、7歳ではZamivirが認可されている。1歳未満の小児ではインフルエンザの認可されている薬剤はない。この年齢層がもっとも死亡率が高いのである。
また、インフルエンザの重症度に加え、若年児童は疾患の伝播に重要な役割を果たす。マサチューセッツの2000-2004年の研究では呼吸器疾患数の増加が子供でまず生じ、3-4歳の子供の患者がまず肺炎やインフルエンザにかかるという報告がある。また、児童ワクチン接種がインフルエンザの伝播減少に役立ち、就学前児童へのワクチンが伝播予防効果に有効との報告がある。
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なお、非薬物的な介入方法(WHOは実は推奨していないが)のphase別対策が記載されている。
実質的にTamifluのみに頼っているのが全世界の現時点の現状だが、誰もOutbreakでの効果に確信ができるものがいない。

by internalmedicine | 2005-12-15 16:37 | インフルエンザ  

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