子供では砂糖で痛み止め効果あり
2005年 12月 16日
Sweet taste’s ability to reduce pain is related to both sweet liking and body weight
子供が甘みのある食べ物やのみもを好きであることは周知である。この甘みが子供に鎮痛剤として働き、痛みの知覚を減少させることも知られている。
Monell Chemical Senses Centerの報告によるとthe Journal Painに甘みの鎮痛効果が、どれだけ甘みが好きかそして子供の体重の状態によって影響があるかが報告されている。
Cold Pressor Test(CPT:cold pressor test, 寒冷昇圧試験と思ってたのだが・・・個々では単に寒冷(冷水)暴露テストの意味かもしれない)によって、砂糖の鎮痛効果の有効性が快楽的価値によるものではないかという仮説の検証
砂糖を好きというレベルと、24%w/v砂糖のCPT間の鎮痛効果を242名、5-10歳の子供とその母親で確認。アウトカム測定は、痛み域値(最初に不快感を訴えた時間)と疼痛寛容(冷水浴にどれくらい手を付けられているか)
子供では、成人より有意に高い砂糖濃度を好み、砂糖濃度24%W/V以下を好むグループとと24%以上wの砂糖濃度を好んだで個々の違いを検討。どの群も成人女性では鎮痛効果は認めなかった。成人と異なり、砂糖を好きな子供ほど、その鎮痛効果は認めた。
24%w/v砂糖を好む子供は、水に比較して、疼痛を訴えるまでの時間延長と口の中に砂糖がある期間、疼痛を訴える時間の遅れが認められた。
この効果は、正常の体重でより報告され、過体重の子供では少ない。
食習慣と甘みを好む個体差、そして子供の生理学的なコンセンサスがこの方面の研究の重要な鍵となるであろう。
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「味が良いという理由だけで、子供が甘みを好きだというわけではなく、おそらく子供を幸せな気分にしてくれるのだろう」と著者であるJulie mennella博士は説明。
「この研究により、子供にとって、甘みが与える鎮痛効果と体重の関係が明らかになった。脳の科学的な系が関与しているのではなかろうか。そして、食習慣と甘みに対する個体差が今後の研究課題。子供と違って母親は鎮痛効果が有効ではなかった。」
子供の半数・母親の1/4が24%以上の濃度の砂糖を好む。疼痛反応評価にて、CPTとして知られる古典的なモデルを用いている。10度の冷水に手を長く付けてられるかという試験である。このCPTは2回繰り返され、24%砂糖濃度の場合と水の場合と比較している。
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CPTの解釈に関してちょっと議論が出そう・・・
一応、著者らの解釈を尊重すれば、甘みを好む母親でも砂糖の鎮痛効果は無かったわけでだが、その子供たちは砂糖の鎮痛効果が認められた。やっかいなのは口の中にその甘いものが無いと鎮痛効果はないということで、あめ玉でもしゃぶらせてワクチンでも打つか・・・
ちなみに、私は、甘みは苦手です。そして、焼酎の“佐藤”の方が好きです。
by internalmedicine | 2005-12-16 08:51 | 医療一般