造影剤誘起性腎障害予防に重曹投与 と 造影剤誘起性腎障害予防ガイドラインの一例

今回のJAMAには、造影剤誘起性腎障害予防に重曹投与・・・という論文が掲
載されてます。



Prevention of Contrast-Induced Nephropathy With Sodium Bicarbonate
A Randomized Controlled Trial
JAMA. 2004;291:2328-2334.
<序>
造影剤誘起性腎障害は未だ医療において通常におこりえる合併症として存在する。
重曹(sodium bicarbonate)は塩化ナトリウムより急性虚血性腎不全動物実験モデ
ルでは有効。虚血と造影剤にともなう急性腎障害はフリーラジカルからと考えら
れている。しかし、ヒト・動物では造影剤誘起性腎障害に対して予防的効果が重
曹にあるか研究がない。
<方法>
1センター、ランダム化トライアル、119名のCr1.1以下の安定した患者に
NaCL 154mEq/L投与群(n=59)と重曹投与群(n=60)をiopamidol投与後比較。Crを
前値、造影剤投与1、2日目にて比較
造影剤投与前にNaCL 154mEa/Lと重曹を3mL/Kg/時間あたりで1時間投与
造影剤投与後1mL/Kg/時間のペースで6時間点滴
<測定項目>
2日以内の血中Cr25%以上を造影剤誘起性腎障害とする

<結果>
年齢・性別・糖尿病頻度、人種、造影剤の量に有意差無し。Cr基礎値は重曹群が
高かったが有意差無し
一次エンドポイントの造影剤誘起性腎障害は、NaCl群で8名、重曹群で1名(P=.01)
191名の連続した重曹予防投与で、結果3名の腎障害(1.6%;95%CI 0-3.4%)
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時に、造影CTするので、しらないでは済みそうもないので・・・以前から興味
を持ってます。

以前以下の論文を紹介したことあります。
慢性腎不全に対するNACによる予防
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Prevention of Radiographic-Contrast-Agent?Induced Reductions in Renal
Function by Acetylcysteine
NEJM Volume 343:180-184 July 20, 2000 Number 3
腎不全患者(sCr 2.4±1.3 mg/dl [216± 116 μmol/L])
acetylcysteinを600mg×2回/日 vs 0.45%食塩点滴の比較

介入群:2.5±1.3 → 48時間後2.1±1.3 mg/dl(220±118 → 186±112 μmol/L )
対照群:2.4±1.3 → 48時間後2.6±1.5 mg/dl(212±114 → 226± 133 μ
mol/L) (群間比較 P<0.001).
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<総説的なWeb>
http://www.ahrq.gov/clinic/ptsafety/chap32.htm
・低浸透圧造影剤:Level 1A,Level2 ○
・投与前点滴+利尿剤:Level 1,2で相反する結果、Cr >1.9のLevel2,3研究で造
影剤の量がすくないほど、投与前点滴が少ないほど悪化
・N-Acetylcysteine:研究がすくないが、Level 1、2研究で腎不全悪化進展を明
確に減少
・Theophylline:Level 1、2研究で有意差無しの方が多い


<google検索・・>
日本のガイドラインはみつからず・・・(私の技量の問題かも・・・)


それで、
【ガイドラインの例】
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http://www.mc.uky.edu/pharmacy/dic/criteria/NAC-CIN.pdf
CT、血管造影、心臓カテーテルなどで造影剤使用を受ける患者

1つ以上のリスクがある場合 補液+NAC施行

リスク
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sCr>1.2mg/dl or CrCL <50 ml/min
糖尿病
うっ血性心不全
高血圧症
脱水
年齢65以上
腎臓障害性薬剤使用・腎血流減少薬剤使用
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補液ガイドライン
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NAC per guidelineをうけるために補液も受けること

IVF=1ml/kg/hr 12時間前とカテーテル後

緊急施行時
1)施行前に500-1000ml点滴ボーラス

2)施行中に補液 and/or 可能なら12時間(すべて臨床状態による)
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経口NAC投与
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総投与回数4回(造影剤使用前12時間毎2回、造影剤使用後2回)

経口に耐えられる?
NAC 600mgカプセル12時間毎4回合計

チューブあるいは経口だめな場合
NAC 600mg 液(20%溶液3ml)チューブにて12時間後と4回

緊急時あるいは心臓カテーテル
前1回投与・カテーテルあるいは施行後3回投与
12時間毎に合計4回
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【終了】




ACCガイドライン(今ひとつ)
http://www.acc.org/clinical/position/72543.htm


救急医療や循環器系にもあてはまる話しなのではないでしょうか?

by internalmedicine | 2004-05-19 11:34 | 医学

 

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