2種のロタウィルスワクチン・・・安全性の上からも合格レベルの模様

ロタウィルスはノロウィルスとともに冬場大流行・・・図譜
冬場の小児科での胃腸感染の半数以上がこれが疑わしいわけで・・・これに対する脱水対策が主になる

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GIP[8]ロタウィルスワクチンは二重盲検にて乳児の重症下痢症予防として高い有効性を示した。63,225名の乳児サーベイランスにて腸重積リスクはプラセボに比べて高いということはなかった(6例 vs 7例)。

ヒト-牛再集合体ウィルス生ワクチンにて、重症胃腸炎に対する98%の有効性。安全性に関して、68,038名の乳児にて、腸重積の比率はワクチンとプラセボ同等 (相対リスク 0.8; 95%CI 0.3 - 1.8).

論評:<NEJM Volume 354:75-77 January 5, 2006 Number 1
Rotavirusは発展途上国で年間約50万人死亡者、1/3が下痢で入院となる。
ライセンスされた最初のワクチン(RotaShield)は副作用特に腸重積を理由にUSで撤回された。

1)Rotateq (Merck)
2)Rotarix (GlaxoSmithKline)

経口の生ワクチンで、ジフテリア、百日咳、破傷風と同時に乳児に接種するものであるが、アプローチ、種類、製造方法が異なるもの

Rotarixは、単価ワクチンで、ヒトのrotavirus種、GIPユリアのもので、連続投与、1-2ヶ月話して経口投与。腸内での複製は初回投与後50%以上消失し、他のセロタイプと交差耐性を示すこととなる。

Rotateqは、牛種、WC3をベースにした5価ワクチンで、5つのヒト-牛再集合体ウィルスを含むもので、ヒトのために中和されてるが、交差耐性を広く持たない。ヒトのセロタイプのmajorな外套蛋白をエンコードしている単一の遺伝子を含む再集合体ウィルスである。ヒトの腸で増殖しにくく、子供に免疫獲得させるためには高抗原が必要。さらに、便中で消失しにくく、3回の経口投与が必要で、1ヶ月以内に投与必要。

違いはあるが、効果に関してはほぼ同様な有効性であるが、重症のロタウィルス疾患に対しては若干相違がある。
Rotarix 85% vs Rotateq 98%
ただ、重症度の分類や住民研究の分類法の相違で説明は可能である。
GlaxoSmithKlineはラテンアメリカの貧民や中程度の収入家族の小児、MerckはUSやフィンランドで行った試験である。


参考:ロタウイルスワクチンの現状と展望 IASR

by internalmedicine | 2006-01-05 14:15 | 感染症  

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