スタチンは癌に対してニュートラル




さて、どうなるか・・・スタチンの一次予防 in Japan
 で 示したようにMEGA studyにて一次予防効果が確認された。

日本では何故か発癌促進的に働くという主旨の論文が掲載されるごとく癌促進の意見が多い・・例のJ-LITのサブ解析のせいだろう・・・・

外国では、逆・・・


日本と真逆の発想で、スタチンと癌のリスクが調べられたわけだが・・・・

Statins and Cancer Risk
A Meta-analysis
JAMA. 2006;295:74-80.
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/295/1/74
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スタチンとコレステロール低下薬は心血管イベント予防効果があると判明しているが、一部癌予防効果も示唆されている。

8943論文の27(86936参加者)
6662名の癌発生、2407名の癌死で、癌の頻度を減少させず(OR, 1.02; 95% CI, 0.97-1.07) or 癌死も減少させず(OR, 1.01; 95% CI, 0.93-1.09)
ここの癌でも減少は記載されず
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日本の論文は考察だらけ、机上の空論にて、
メタアナリシスなどの手法を用いているわけではなく、
念頭から悪者論で展開しているのが多い
・・・こんなのアクセプトする雑誌レフリーよ、いったい何をみてるのだろうか、しっかりしろ!

J-LITというのは対照をとっておらず、結果報告前から多くの医師が指摘しているらしい・・・わたしは、この批判に同調したい
4分位、5分位による研究発表というのもなされているが、J-LITの場合は治療後の脂質profileで検討をしているわけで、コホート研究の体をなさず、横断的研究と差がない。
スタチン治療を批判する側はこのJ-LITの結果がコレステロール低下療法を正当化できないとする根拠に用いられるが、もともと、エビデンスレベルの低いどころか変な解析方法なのである。・・・さらに、J-LITに基づいた二次解析で結論を導こうとする研究者は底の浅さをもともと露呈しているのである。インフルエンザワクチンの横断的研究を反ワクチン運動の根拠とするのと同様である。

・・・それにしても、しょうもない研究を大規模にすると、禍根をのこし、変なことをいう輩が有象無象に現れるもんですなぁと、田舎の開業医は思うのであった


今後、大規模研究するんだったら、まともなデザインで行ってほしいものである
・・・いくつか大規模臨床研究には協力してるが
・・・くじ引き付きの介入研究がさすがに主流と成ってきているようであるが

by internalmedicine | 2006-01-12 11:32 | 動脈硬化/循環器  

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