タミフルの効果・・・肯定側も否定側も根拠を示して意見をいうべき

製薬会社の医療情報担当者さんが以下のパンフレットを持ってきました。

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製薬会社のパンフレット制作意図ととは違うと思いますが・・・

・タミフルというのは発熱に特異的に効果
・咳嗽、鼻汁に関しては効果が少ない

というのが、タミフルの臨床効果として示されるのでしょう。



最近、物知り風に、タミフルはせいぜい熱を1日下げる程度であると、医者も言うようになっているようです。こういう方たちは、それ以外の効果、入院必要性、死亡率などへの影響の効果を自らが調べずに、のべているのです。・・・バカ丸出し


一番大事なtamifluの効果としての、死亡率改善を示すデータがあるのか?
最近、実はそれを支持するデータが出てきているのです。(参考
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・マルタで開かれた第2回European Influenza Conference (ESWI)(www.eswi.org)で、肺炎のリスク減少(32%)と死亡率減少(91%)(p<0.05) [Nordstrom et al, 2005]

・カナダの研究で、検査確定インフルエンザでは入院の必要性の減少(15->64歳 359)、68%死亡率減少 [McGeer et al, 2005]
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European Medicines Agency (EMEA) も日本と同様、タミフルのインフルエンザへの予防を限定して認可している。その理由は、インフルエンザ関連入院、気管支炎、肺炎、抗生剤使用関連を減少する効果が期待されるということである。
・・・抗生剤使用制限ということも、タミフル使用の理由に成っているわけで、わたしはインフルエンザの患者さんに抗生剤使用をするのは主客逆転ではないかと思っております。


浜六郎の影響なのでしょうか?・・・自らが調べずに薬の批判だけを行う・・・こういう行為が患者の健康をまもるという建前のみの偽善行為として行われる・・・医師として不適切と私は思います。製薬会社ののべることは眉に唾を1000回ほど塗って話を聞くが、その批判も1000回ほど唾を塗って話を聞くべきである

製薬会社は営業を是とするわけで、確かにエグい、資料を配付しますが、薬というのは人類の財産でもあるわけで、有害性を忌避した上で、うまく利用して人類に効果が有れば良いわけで、最初から否定するための論陣をはるというのは異常で、人類の財産を失うことにもつながります。

(日本で極端に異常なのはその極端な意見だけをたれながすバカテレビ局や新聞社の存在なのですが・・・)

by internalmedicine | 2006-01-14 10:02 | インフルエンザ  

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