咳嗽ガイドライン




" 米国胸部専門医学会が咳のガイドラインを改訂

CHEST誌収載


Chest.(http://www.chestjournal.org/) 2006;129:1-25
(medscapeから):原文入手後修正予定

日本でも、呼吸器学会で昨秋発表されたばかりだが・・・(最下段参照)
http://www.jrs.or.jp/member/iinkai/gaisou.html

いくつかポイントがあるようである。
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1)診断名の差し替え
・「後鼻漏症候群(postnasal drip syndrome)」→「上気道咳症候群(upper airway cough syndrome)」
・「特発性咳(idiopathic cough)」→「原因不明の咳(unexplained cough)」

後鼻漏症候群(PONDS)がなくなるのは寂しい・・・後鼻漏だけでなく、直接刺激、上気道の咳受容体の存在により望ましくないという意見らしいが、特発性・・・という病名は次第になくなる運命だから当然だが・・・


2)治療法
・上気道咳症候群の治療法は(・・・下図参照)

・慢性咳嗽の経験的治療法は、まず第一世代の抗ヒスタミン剤で、その後に気管支喘息の鑑別。

・上気道咳症候群、喘息、非喘息性好酸球性気管支炎に対する治療困難時、GERD治療


3)非喘息性好酸球性気管支炎
胸部X線にて異常なしで、気道閉塞や気道過敏性の兆候がない場合考慮すべきとされる。

非感染性咳嗽に関して、上気道咳症候群、喘息、非喘息性好酸球性気管支炎、胃食道逆流症などが代表格とされている(これに、咳喘息を入れるかどうかが問題)

アトピー性咳嗽、咳喘息との概念の関係が問題となるだろう・・
咳喘息は喘息と見なしてるのだろうか?・・・臨床的には通常の喘息と鑑別は困難なはずだが・・・

非喘息性好酸球性気管支炎には、原因特定できた場合はその対策と、吸入ステロイドが第一選択薬



<喘息の鑑別>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
可逆性気道閉塞の有無診断

吸入誘発・不可なら抗ヒスタミン剤投与

効なければ、ステロイドによる経験的治療
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
と、かかれており、おそらく、咳喘息は喘息に含まれると思われる。



4)化膿性気道疾患
・非気管支拡張性化膿性気道疾患=細気管支炎(不可逆性の気流制限とCT上の所見、気管支鏡検査の化膿性分泌物証明)
・細菌性化膿性気道疾患除外が必要→気管支鏡検査義務づけ?


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<急性咳嗽(ACCP)>

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URTI:上気道感染
LRTI:下気道感染
UACS:上気道咳症候群(upper airway cough syndrome)



<亜急性咳嗽(ACCP)>
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NAEB非喘息性好酸球性気管支炎
ACEB:慢性気管支炎急性悪化




<慢性咳嗽(ACCP)>
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<日本呼吸器学会のガイドライン:慢性咳嗽>
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by internalmedicine | 2006-01-18 10:52 | 呼吸器系  

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