のう胞性線維症の高調食塩吸入

のう胞性線維症は論文ではMajor Journalで掲載されやすいようだが、びまん性汎細気管支炎は極東の風土病的扱いのようだ・・・


・のう胞性線維症(CF)患者の長期高浸透圧食塩投与
Long-Term Hypertonic Saline in Patients with Cystic Fibrosis
NEJM Volume 354:229-240 January 19, 2006 Number 3
http://content.nejm.org/cgi/content/short/354/3/229
CFでは濃縮した粘液が疾患の急性悪化に寄与すると思われている

正常の生食治療と比較したとき、気管支拡張剤吸入後、高浸透圧塩水の吸入1日2回投にてFEV1の改善とは関連しなかったが、急性悪化はの回数・期間は改善した。


Hypertonic Saline in Cystic Fibrosis
NEJM Volume 354:241-250 January 19, 2006 Number 3

http://content.nejm.org/cgi/content/short/354/3/241
高浸透圧食塩の吸入は呼吸機能に中等度の改善と急性悪化の回数軽減に役立つ。
in vivoやin vitroのデータにて、治療効果が考慮される。

蓄積した粘液を除去するために気道表面に水分投与するために高張食塩水を必要と考えたが、その効果は限定される。気道閉塞を改善するものではなかった。1時間後の粘液クリアランス率を改善し、24時間後も累積的に効果がある。
ウィルス感染のような外因性の傷害による非閉塞性肺病変に予防的に働く可能性がある。

のう胞性線維症は、上皮の塩素分泌障害とナトリウム過吸収を生じるための機能障害、CFTRタンパクの機能によるものと考えられている。
───────────────────────────────────────────────

MUC5ACとびまん性反細気管支炎(DPB)が、トピックスなのだろうか?
マクロライド系抗生剤の長期投与が有効というのが、この疾患メカニズムの興味となり、炎症細胞の役割、粘膜下腺細胞からのglycoconjugate secretion、気道上皮の塩素輸送と水分濃縮などもエリスロマイシンなどの働きとともに調べられてきたわけだが、根本的に異なる病態生理をもつDPBとCF・・・はたして、DPBにこのアプローチは有効なのだろうか?

by internalmedicine | 2006-01-19 17:56 | 呼吸器系  

<< 逆流性食道炎:まず 治療を &... ORS >>