不飽和脂肪酸の癌予防効果などといいだしたら・・・嘘つきになりますのでご注意ください

世の中のすべての病気が食事由来であるかのようにほんとに信じ込んでいる患者を多く遭遇するようになった。みのもんたや愚劣番組あるある大辞典の影響とおもうが・・・
確かに、食事は健康に対して重大なインパクトをもつということも事実だが、誇大的な表現が多すぎるために誤った情報がよにあふれるようになったのだろう。
促進因子として、矮小な個々の報告を確定的な事実のごとく報道する馬鹿新聞社や、むせ筋な週刊誌のあおり記事、あきらかに特定の商品の宣伝であるのに番組として了承し法律違反の根拠なき効能効果を垂れ流す放送局を許す総務省(馬鹿 小泉を含む)


たとえば・・・
───────────────────────────────────────────────
冠動脈疾患患者の全原因死亡率のなかで、
・禁煙: RR 0.64 95%CI 0.58-0.71
・運動: RR 0.0.76 95%CI 0.59-0.98
・アルコール適量摂取: RR 0.80 95%CI 0.78-0.83
・食事是正: RR 0.56 95%CI 0.42-0.64
Effect Size Estimates of Lifestyle and Dietary Changes on All-Cause Mortality in Coronary Artery Disease Patients
A Systematic Review
(Circulation. 2005;112:924-934.)
───────────────────────────────────────────────

図示すると

不飽和脂肪酸の癌予防効果などといいだしたら・・・嘘つきになりますのでご注意ください_a0007242_105026.jpg



ほかのリスク要因是正にくらべて、食事是正は重要ということになる。
・・・ただ、日本ではあてはまるかどうか?
もともと、塩分摂取以外は優秀な食事内容であった日本
その好影響はまだ残存している


米国では、こどもの頃から食習慣が重要ということでAHAでも食習慣是正を推奨
Dietary Recommendations for Children and Adolescents
(Circulation. 2005;112:2061-2075.)



この流れは、世界的であるようで、NHKで中国人の魚摂取量が激増しているという話があった・・・
Cochraneでも、いまだ、ω3脂肪酸と死亡率などにも結論づけられるような状態ではないというのに、話が突き進んでしまっているようだ。


不飽和脂肪酸が癌予防効果あると断定的なウェブ情報が多い。根拠がないことが本日のJAMAで掲載された。
 ↓
───────────────────────────────────────────────

JAMA. 2006;295:403-415.

20のコホート7カ国11の異なるガンの種類で、ω3の消費量を6つのカテゴリーに分類、ω3と願の関係につき65の推定が報告されていた。
この中で、8の推定のみが有意差あり。heterogeneityの高さがデータのプーリング阻害に働く。
乳ガンに対して1つはRR 1.47(95%CI 1.10-1.98)で、3つがリスク減少(RR 0.67-0.72)、他の7つは関連なしとの報告
結腸直腸癌に対して、1つはリスク減少(RR 0.49:95%CI 0.27-0.89)で、17は関連性なし。
肺癌に関して、リスク増加(RR 3.0 95%CI 1.2-7.3)で、他はリスク減少(RR 0.32 95%CI 0.13-0.76)、のこり4つは有意差なし
前立腺癌に関して、1つはリスク減少(RR 0.43 95%CI 0.22-0.83)で、1つはリスク増加(RR 1.98 95%CI 1.34-2.93)で、のこり15は有意差なし
皮膚癌に関してリスク増加(RR 1.13 95%CI 1.01-1.27)
ω3脂肪酸と癌の有意差はaerodigestive cancer、前立腺癌、リンパ腫、卵巣癌、前立腺癌、膵癌、胃ガンに対して有意差がみられなかった。

結論としては、無数のコホートの大規模研究がなsれているが、ω3脂肪酸と癌頻度に関する有意な関連を示す報告はない。
ω3脂肪酸サプリメントは癌予防に役立ちそうもない。
───────────────────────────────────────────────

今後、n3(ω3)などの不飽和脂肪酸の癌予防効果などといいだしたら・・・嘘つきになりますのでご注意ください。




追記)
厚労省の運動至上主義が最近の話題ですが、禁煙指導の方が効果が重大ということを馬鹿役人や政治家もおわすれなくそれと、運動関連事故死というのも無視できないインパクトをもってることも・・・

by internalmedicine | 2006-01-25 10:22 | Quack  

<< NO2濃度 大気汚染基準以下で... 鍼治療のクリティカル分析 >>