くも膜下出血の診断・・・
2006年 01月 28日
・・・医師なら、脳外科や神経科を問わず、眼科や内科でも、後で動脈瘤とわかった事例は少なからず経験しているはず・・・
この誤診は、症状兆候からいって、医師個人のスキルというより、むしろ社会的リスクとも考えられる。
NEJM Volume 354:387-396 anuary 26, 2006 Number 4
に、
・典型的症状兆候のない場合、くも膜下出血の誤診が生じ、その頻度は初診医師の半数程度
・主な誤診例は偏頭痛・緊張性頭痛
・適切な画像が得られない可能性は73%
・腰椎穿刺の結果解釈が正しく行われてない可能が23%
誤診例はより重症感が少なく、神経学的に異常がない。50%の患者では神経学的異常は後で生じ、死亡やdisabilityのリスクを生じる。
<NEJMの診断プロセス>

<参考>
脳ドック学会ガイドラインから
・無症候性未破裂脳動脈瘤全体としての破裂のリスクは年間0.5から1.9%であり,およそ1%
・無症候性未破裂脳動脈瘤の開頭手術成績は全体として死亡は1%以下,後遺症はおよそ5%程度
(ガイドラインに頻出する大学の出したメタアナリシスが単なる足し算だったからこの学会あまり信用できないという印象があるのだが・・・)
by internalmedicine | 2006-01-28 14:35 | 医療一般