高血圧症の予防と治療のためのライフスタイルの変更に関するガイドライン


米国心臓協会(AHA)が、高血圧症の予防と治療のためのライフスタイルの変更に関するその見解を改訂・・・とのこと

原文は
AHA Scientific Statement
Dietary Approaches to Prevent and Treat Hypertension
A Scientific Statement From the American Heart Association
(Hypertension. 2006;47:296.)
http://hyper.ahajournals.org/cgi/content/full/47/2/296

確立している事項:
・血圧低下は減塩、体重減少、アルコール適量(飲酒している人)

・DASH食をベースにしたカリウム摂取の増加と消費が効果的な戦略としてここ10年で出現

・老人で、血圧関連心血管疾患や腎疾患のリスクの高い群で、食事の変化させ、継続することができると確立している

・血圧は115/75mmHgから始まり増加する毎に心血管リスクが増加する

・非高血圧者では、食事の変化は血圧低下をさせ、血圧予防すべき

・合併症のないstage I高血圧(140-159/90-99)では食事が初期治療として薬物治療前に勧められる。

・薬物治療開始されている患者では、ライフスタイル変容、特に減塩が血圧低下に役割をはたす




【体重減少】

【減塩】
平均的に、食塩(塩化ナトリウム)の摂取量が増加するほど、血圧が増加する。50超のランダムトライアルで、尿中ナトリウム中央値1.8g/d減少で、非高血圧者 2.0/1.0mmHgの減少、高血圧患者で 5.0/2.7mmHgの減少

【カリウム摂取】
尿中2g/d(50mmol/d)排泄量増加で非高血圧者で、1.8/1.0mmHg、高血圧患者で4.4/2.5mmHg低下
<注意!>
腎障害患者などカリウム排泄低下では注意
他、ACE阻害剤、ARB、NSAIDS、K保持性利尿剤服用者では注意
糖尿病、慢性腎不全、重症心不全、副腎皮質機能低下例では注意が必要
老人はとくに排泄機能低下多いので注意

【アルコール適量化】

【Whole Dietary Patterns】
・ベジタリアン
 一般的には血圧低下に働く、ただ、その効果にばらつきとその他の影響が大
 
・DASH食

【特殊要因】
・魚脂
 用量依存性に血圧低下、特に3g/d以上で効果あり、
 血圧4.0/2.5mmHg下げる
 副作用として、げっぷと臭いの毛嫌いがある。 

・食物繊維
 食事性繊維増加は収縮期・拡張期血圧を1.6/2.0 mmHg下げる。
 サプリメントは血圧低下させない

・カルシウム・マグネシウム
 結果にばらつき大きく
 カルシウムはナトリウム摂取量の多い人に効果有る可能性(小規模研究)
 
 カルシウム・マグネシウムを血圧低下のために推奨するには十分なエビデンスはない
 ※日本の特保の立場は?(厚労省の馬鹿ぶり露呈!)

・炭水化物
 懐疑的! 

 複合的なエビデンスで、炭水化物の量種類とも増加した場合血圧低下の可能性がある。
 炭水化物豊富で、低脂肪食は西洋の食事に比べて血圧を下げることがpopulation studyで示唆。しかし、観察研究にすぎない。
 前向き研究ではばらつきがある。DASH食類似の健康食であるOminiHeart feeding  studyで、血圧を下げたという報告があった。総合的な効果であり、炭水化物単独では不明
 ショ糖に関する短期的報告もあるがばらつきがあり、むしろ昇圧の報告もある。
 体重減少という結果において血圧減少

*n3 PUFA
総量的な脂肪の影響の議論は現在されてない。

*飽和脂肪酸
摂取量増加で血圧増加の可能性

*ω6-PUFA
Western dietを主としたω6食事は血圧への影響が若干あるが、血中のω6との関連はない。前向き研究する意味もないとのこと

*単価脂肪酸摂取
不明



・タンパク摂取
広範な、一致した観察研究の知見としては、タンパク摂取と血圧との関係は逆相関にある。
2つの大規模観察研究で、INTEMAPとChicago Western Electric Studyでは植物由来のタンパクが血圧減少と逆相関、動物由来では影響がないとの報告であった。
大豆サプリメントで血圧低下の報告が一部有ったが、すべてに共通したものではなかった。
OmniHeart studyでは、炭水化物を植物由来タンパク置き換えることで血圧を下げる効果を認めた。あくまで仮説である。


・コレステロール
 もともと食事性コレステロールと血圧の報告は少ない
 Multiple Risk Factor Intervention Trial (MRFIT) cohortで、関連を認める報告、拡張期血圧は関連しで、収縮期のみ8年間観察での結果
 結論づけ不明


・ビタミンC
 因果関係不明

by internalmedicine | 2006-02-02 12:31 | 動脈硬化/循環器  

<< アマンタジン耐性インフルエンザ... αグルコシダーゼ阻害剤は糖尿病... >>