2年前の私たちの予測より受診抑制は激しかった

7月23日夕方NHKニュースで、“サラリーマン本人の医療費の自己負担が3割に引き上げられた影響で、糖尿病の患者の一部は必要な治療を控えたことがわかりました。厚生労働省の研究班は治療を中断しないよう職場や地域で対策を検討すべきだと指摘しています。”
46名調査で、「6ヶ月で受け取る薬が、3割導入前4.67ヶ月分→4ヶ月分」と減少した”とのことです。

糖尿病の治療が自己負担増によりどのようにして変化したのかを示したものです。


私が知る限り民間放送は全く取り上げず、NHKも午後7時のニュースではふれられておりません。

私としては、受診抑制率がどの程度なのか知りたいと思っていたので、格好の材料なのです。しかし、46名調査はあまりに少ないような気がします。
畝 博 福岡大学医学部教授の“医療費の自己負担増による高血圧症患者と糖尿病患者の受診行動の変化”という平成13年度科研費のテーマのようです。


Framingham Heart Disease Risk Calculator
http://www.intmed.mcw.edu/clincalc/heartrisk.html
によると

たとえば、60歳・男性で、コレステロール260mg/dl、収縮期血圧180を放置すると10年以内に21%に心臓疾患のリスク。
────────────────────────────────────
Age: 60
Gender: male
Total Cholesterol: 260 mg/dL
HDL Cholesterol: 40 mg/dL
Smoker: No
Systolic Blood Pressure: 180 mm/Hg
On medication for HBP: No
Risk Score* 21%
Means 21 of 100 people with this level of risk will have a heart attack in the next 10 years.


60歳男性で、まじめにコレステロール180mg/dl、収縮期血圧120mmHgだと10年間に10%の心疾患リスク。
────────────────────────────────────
Age: 60
Gender: male
Total Cholesterol: 180 mg/dL
HDL Cholesterol: 45 mg/dL
Smoker: No
Systolic Blood Pressure: 120 mm/Hg
On medication for HBP: Yes
Risk Score* 10%
Means 10 of 100 people with this level of risk will have a heart attack in the next 10 years.
────────────────────────────────────

自己負担増による受診抑制は、合併症増加により結果医療費増加につながります。


患者負担増で医療費抑制

拙筆再掲
このときの推計より受診抑制の程度が激しいということがわかりました。


小泉氏により犠牲者増加は確実に進んでいます。

by internalmedicine | 2004-05-24 16:06 | 医療一般  

<< 障害肢対側にも神経障害が生じている 重症外傷患者への挿管には麻酔下... >>