G-CSFによる幹細胞mobilization効果否定論文

残念ながら、GCSFを用いることで血液・骨髄由来の幹細胞誘導による心筋梗塞部位への心筋の再生、血管新生が図れるかどうかのRTCは否定的に終わったようである。

Stem Cell Mobilization by Granulocyte Colony-Stimulating Factor in Patients With Acute Myocardial Infarction
A Randomized Controlled Trial
JAMA. 2006;295:1003-1010.
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/full/295/9/1003

G-CSFを10μg/kg投与5日とプラセボ比較で、メインアウトカムはTc99msestamibi によるシンチグラフィーで梗塞サイズを比較
G-CSF群56名、プラセボ群58名
梗塞サイズ:G-CSF群 6.2%(SD 9.1%) vs プラセボ群 4.9%(8.9%) P=.56
左室駆出率:G-CSF群 0.5%(3.8%)改善 vs プラセボ群 2.0%(4.9%) P=.14
再狭窄G-CSF群35.2%、プラセボ群30.9%
G-CSFの副作用軽度・中等度の骨痛・筋肉症状



先行する3つの報告(the MAGIC cell randomised clinical trial. Eur Heart J. 2005;26:1838-1845 FIRSTLINE-AMI)と異なる結果
・・・G-CSFがうまく心筋虚血部位へのホーミングとつながってない可能性など示唆

by internalmedicine | 2006-03-01 12:36 | 動脈硬化/循環器  

<< 電子聴診器 原爆被爆後固形腫瘍の増加は放射... >>