Vitamin D 受容体(VDR)の選択的活性化物質の直接の心血管合併症・死亡率抑制作用


腎疾患に伴う二次性副甲状腺機能亢進症の予防・治療薬としてFDA承認されたparicalcitolがどうも直接作用で、心血管合併症・死亡率減少を生じている可能性があるとのこと



Vitamin D in chronic kidney disease: A systemic role for selective vitamin D receptor activation
http://www.nature.com/ki/journal/v69/n1/abs/5000045a.html

Kidney International (2006) 69, 33--43.
慢性腎疾患の進展した場合、多くの患者で、腎臓の1-α-hydroxylase活性の減少による、血中の1,25-2(OH)-vitDの減少がみられる。
終末期腎不全患者のPTHと1,25-dihydroxyVitDは骨減少、心血管疾患、免疫抑制、死亡率増加と関連。
最近の研究では、Vitamin D 受容体(VDR)の選択的活性化物質であるparicalcitolは、副作用的特徴に有益な効果がcalcitriolより合併症、死亡率に対して良好であることが示された。
VDRsの全身での活性化は心血管系への直接作用を生じ慢性腎障害への死亡率減少に働いた可能性がある。
現在のガイドラインでは血中のカルシウム、リン、PTH調整に関して、副甲状腺の不可逆性変化を予防し、心血管疾患の合併症・死亡率減少を図る事が主眼であるが、ビタミンD治療がカルシウムやリン、PTHと独立して患者の生存率改善につながる可能性がある。
現在の治療推奨を再評価し、臓器特異的VDR活性化の特異的メリットに関して注目する必要がある。



リンとカルシウム代謝の調整(保存期慢性腎不全治療)

by internalmedicine | 2006-03-02 17:24 | 動脈硬化/循環器  

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