気胸あれこれ
2006年 03月 06日
Radiological review of pneumothorax
BMJ 2005;330:1493-1497 (25 June)
レントゲン診断は通常直線性である。
末梢の肺のmarkingなしに臓側胸膜線を観察できる

側面やdecubitusは通常の方法で明瞭でない場合、推奨。
標準側面では臓側胸膜線が胸膜直下や椎体の上、胸壁に平行にで観察されることがある。
Shoot-through lateral や decubitus viewで人工呼吸患者や新生児で用いられる。
吸気位の撮影については議論があるが、多くの臨床家は吸気時正常であるときに小さい気胸検出に役立つという報告をしている。
イギリス胸部疾患学会(The British Thoracic Society)ガイドラインでは胸壁へ2cm以上か、未満かで大小を区別。
肺の周囲の小辺縁が肺容量の比較的大きな減少を生じ、2cmだと片側肺の50%の容量を占めることとなる。大きな気胸はドレナージの客観的指標となる。
仰臥位にて、胸腔の空気は肺底部で多くが見られ、心臓横隔膜角部でみられ

肋骨横隔膜角で大きく見える (the deep sulcus sign)。
炎症性癒着は気胸部位を空気のリークの部位周囲の胸腔の小房とを区分けすることになることもある


この領域にドレナージを行っても有効性は最良でない。もし癒着胸膜の部位へ挿入した場合、肺実質ダメージや重篤なエアリークを生じることとなる

このため、小房化した気胸は透視下でアプローチするのが良く、CTガイドも用いられるべき。気腫性ブラは小房化気胸と類似し、とくに慢性肺疾患が背景に有るときは注意すべき。ブラの中に肺内マーキングが明るい光で直接見られることがある。臨床的に疑わしい場合はCTを利用すれば役立つ。・・・・・続く・・・
再発要因
発症要因はCOPD69.7%、結核、再発は背の高いもの、低体重ほど、二次性自然気胸で多い。化学的胸膜癒着術を施行した患者では再発リスクが減少。胸腔内のテトラサイクリンとゲンタマイシンと有意差はないので、ゲンタマイシンが化学的癒着術で推奨される。
Factors related to recurrence of spontaneous pneumothorax - Respirology Vol 10. Issure 3 pp 378-384
自然気胸の単回吸引は認容できる。必ずしも、チューブによる持続吸引が常にすぐれてるわけではない
Eur Respir J 2006; 27:477-482
日本での常識と若干異なるところ有る・・・どちらがよいかは注意必要
by internalmedicine | 2006-03-06 12:20 | 呼吸器系