糖尿病性神経障害の原因であるnitrosative stressをアクトスが抑制?


神経系への障害とこのnitrosative stressが各疾患で検討されているようだが、糖尿病性神経障害にエリスロポイエチンという発想・・good ideaらしい でふれたが、nitrosative stressが糖尿病性神経障害のプロセスに重要とのこと。今回の論文では、アクトスがそのnitrosative stressを改善するとのこと・・・きっと、製薬会社がこの機序説明に懸命になると思われ・・・まぁいいか・・・



ガス状のラジカル分子である一酸化窒素NOは、生体内で神経伝達、記憶や血圧調節などにおいて情報伝達物質として重要な役割をはたしている。一方過剰に生成すると、NOは細胞障害のメディエーターとして炎症や虚血など種々の病態に関与する。このようなNOの細胞毒性は、細胞内の活性酸素分子種と反応してスーパーオキシナイトライト(ONOO-)などの種々の活性NO分子種(RNS) ができることと関連している。これらのRNS は、DNA損傷やカスパーゼなどのタンパク質のシステインのチオールのニトロソ化、又SODなどのチロシンのニトロ化などを引き起こしアポトーシスを制御することが分かってきた。したがって、このNO分子の二面的な生理作用がある。

物において普遍的に細胞毒性をもたらすことが明らかになってきた。
RNSによりもたらされるストレスは,活性酸素分子種(ROS)によりもたらされるOxidative stress の対語として Nitrosative stressとよばれている。RNSはROSと同様,細胞や生体にとっては両刃の剣であり,その生成は他律的のみならず自律的なストレス因子となりうる(参考pdf




Pioglitazone Treatment Improves Nitrosative Stress in Type 2 Diabetes
Diabetes Care 29:869-876, 2006

皮下に挿入して直接する電流滴定(amperometric) NO meterというのがあるそうで
皮膚血流測定(SkBF)とともに測定

SkBF反応は有意に改善せず
pioglitazone治療群、40度刺激後、44度の局所温熱による侵害受容器刺激後、前値に比較してNO産生は有意に減少
プラセボ群では前値との有意差はなかった
【結論】2型糖尿病におけるpioglitazone24週治療後の皮膚のNO産生は減少するが、皮膚血流への影響がないnitrosative stress減少に由来するものと思われる。
nitrosative stressは神経血管障害の病因的要因である。


・・・間接的証明になるのか?今ひとつ納得いかないが・・・

by internalmedicine | 2006-03-30 10:03 | 動脈硬化/循環器  

<< 医療保険改訂_検査編 ヘビースモーカーは女性1.4年... >>