医療保険改訂_検査編

今回の医療保険改訂はかなりいじめられたところが多くて・・・涙も出ないリハビリテーション&療養型など・・・>これって厚労省のハシゴはずし ・・・ 医療機関にあっては返済計画・就業者にあっては人生設計がくずれたんじゃないだろうか?・・・厚労省の役人を最初から信用する方が間違っていることは確かだが・・・



今回の検査項目部分の改訂は、ほとんど引き下げになってるが、意義ある検査が少々加わっているので、メモ __φ

ただ、先行して、認可されてたものも多いようだ。
PAIgGとQFTっぽい検査がやっとというところがわたしのポイントかな


1)結核菌特異蛋白刺激性遊離インターフェロンγ測定→「全血インターフェロンγ応答測定法」が
 診察又は、画像診断等により結核感染が強く疑われる患者
 喀痰の採取が困難な患者(高齢者等)
に、健保適応になってます。

感染を受けた人の血液に試験管内でPPDのような抗原を作用させ、その後24時間に放出されるサイトカイン(この場合はインターフェロンγ)を簡便なキットで測定する方法を開発に由来し、両群とも強陽性が90%以上でした。本法のこのようなメリットは各地で発生している集団感染疑い例への対応-特に無駄な化学予防を避けること-に有力な手段となります。 もちろんまだ課題は残っています。既感染だが発病していない人(感染直後、長期間経過後、治癒痕のある場合など)の反応はどうか、治療中・治療終了後の反応は、年齢の影響は、ツベルクリン反応検査の影響はどうか、等々。

2)シスタチンC精密検査
シスタチンCの有用性要約:URL血清クレアチニンの場合には、糸球体濾過率(GFR)が31から50mL/minくらいまで下がらなければ上昇してきませんが、血清シスタチンCの場合には、GFRが51から70mL/minくらいまで下がってくれば上昇してきますので、早期の腎機能マーカーとして注目されています。  
また、腎前性の影響を受けないGFRマーカーなので、年齢や性による筋肉量の違いを考慮する必要がありません。  
クレアチニンクリアランスのように、24時間の蓄尿を行う必要がないので外来および小児患者の腎機能検査に適しています


3)ペントシジン 参考URL
ペントシジンは後期蛋白糖化反応(蛋白の非酵素的糖化反応)での生成物の一つで産生には酸化プロセスが深く関与しており、生体蛋白質が糖化及び酸化されたことを反映するマーカーとして注目されています。特に腎機能の低下に伴う酸化ストレス亢進により産生が増加し血中濃度が上昇するため、慢性糸球体腎炎や腎硬化症等の診断に有用です。ただし、ペントシジン濃度は血糖値の影響を受ける可能性があり、糖尿病患者の測定には適していません。

5)プロカルシトニン(Procalcitonin,PCT) 参考URLPCTは重症の細菌、真菌、寄生虫感染症の診断のパラメーターで、感染に対する全身的な反応の過程でのみ生成される。
大手術、臓器移植、多発外傷の術後期、化学療法中、重篤な膵炎、胆管炎、あるいは軟部組織の感染患者など全身性細菌、真菌感染のリスクの高い患者には、PCT測定による監視が望ましいといわれている。


6)抗IA-2抗体 参考URL
「抗IA-2抗体」は、糖尿病の診断が確定し、かつ「抗GAD抗体」陰性が確認された30歳未満の患者に対し、インスリン依存型糖尿病(IDDM;1型糖尿病) の診断に用いた場合に算定可能となります。小児の急性発症1型糖尿病(従来のいわゆるインスリン依存型糖尿病;IDDM)患者に高率に検出される反面、抗GAD 抗体に比して成人発症1型糖尿病における陽性率は低く、30歳以上の患者で陽性となることは稀です。

7)PA-IgG
PAIgGの感度60%、特異度77%、PPV81%、NPV 54%
MACE(PAIgG with a modified antigen capture ELISA (MACE) となると感度60%、特異度97%




・外来迅速検体検査加算

・フローサイトメトリー法による尿中有形成分定量測定

【穿刺液・採取液検査】
・IgGインデックス :亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis  SSPE)
・髄液MBP :脱髄疾患など
・髄液オリゴクローナルバンド測定:脱髄性疾患など・悪性腫瘍遺伝子検査

【生化学検査I】
・シスタチンC精密検査
・ペントシジン
・プロカルシトニン(PCT)

【生化学II】
・抗IA-2抗体精密測定

腫瘍マーカー
Ⅰ型コラーゲン-C-テロペプチド(ⅠCTP)
I型プロコラーゲン-C-テロプロペプチド精密測定(P1CP)

【免疫検査項目】
・PAIgG

【血漿蛋白免疫学的検査】
・結核菌特異蛋白刺激性遊離インターフェロンγ測定



・エレクトロキモグラフ
・終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定

・ダーモスコピー

・グルカゴン負荷試験



追記(H18.4.19)
M3(SRL)にて


クレアチニンの保険点数は平成18年の改定で12点から11点となりました。
β2-マイクログロブリン(BMG)は「β2-マイクログロブリン精密測定」という区分けが無くなり、測定方法に関わらずβ2-マイクログロブリンの測定に関しては実施料120点に統合されました。
シスタチンCは2006年4月の改定では変更なく、実施料130点です。
クレアチニンクリアランスは2006年4月の改定で実施料は削除されました。

と書かれてます。

血清シスタチンC精密測定は
BUNまたはs-Crにより腎機能低下亜疑われた場合に、3月に1回に限り算定できる。
という縛りがあるようです。

抗ガン剤など使用時や各種証明書にクレアチニン・クリアランスが使われてますが、どのような解釈になるか、それぞれに対して確認する必要があるようです。

たとえば、ある種の抗ガン剤の添付文書には
BUN、血清クレアチニン、クレアチニン・クリアランス値等に異常が認められた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。その他、血尿、尿蛋白、乏尿、無尿があらわれることがある  ・・・と書かれてます。
身体障害者・じん臓機能障害等級の解説には、内因性クレアチニン・クリアランスの項目があり、クレアチニンが全身の筋肉量に依存する部分があるため必要だと思うのだが・・・疑問の方は関係方面に問い合わせが必要でしょう。
・・・

by internalmedicine | 2006-03-30 16:30 | メモ  

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