肺炎球菌ワクチン(PCV)は耐性菌比率減少に役立つ


2種類のワクチンの存在があることに注意しなければならない・・・
・23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine (PPV)
・7-valent pneumococcal conjugate vaccine (PCV):米国では、7価の血清型(4、6B、9V、14、18C、19F、23F)の多糖体と不活化ジフテリアトキシン(Diphtheria CRM197 Protein)を結合させたワクチンが実用化され、小児に使用されています。この結合型ワクチンは、肺炎球菌の多糖体も1血清型あたり2マイクログラムと少量ですみ、副反応も少なくなっています。この結合型ワクチンの最大の特徴は、2歳以下の小児に対しても十分な免疫を付与でき、ワクチンに含まれる型の肺炎球菌による髄膜炎などの重篤な感染予防に有効であるとされています。(http: //idsc.nih.go.jp/vaccine/cQA014.html)(再掲)


今回のワクチンの話題もPCVの話・・・日本において老人などに行われているPPVではない


CDC and Prevention reportの研究者たちが、conjugate pneumococcal vaccineの薬剤抵抗性肺炎球菌感染症への影響を調査したもの
その結果、ペニシリン非感受性菌種の減少が見られた。



Effect of Introduction of the Pneumococcal Conjugate Vaccine on Drug-Resistant Streptococcus pneumoniae
NEJM Volume 354:1455-1463 April 6, 2006 Number 14
http://content.nejm.org/cgi/content/short/354/14/1455

ペニシリン非感受性菌種・多剤非感受性菌種による侵襲性疾患の率は1999年ピークとなり2004年に減少:6.3→2.7/10万 4.1→1.7/10万

2歳未満の子供で70.3→13.1/10万
65歳以上では 16.4→8.4/10万

ワクチンによる薬剤抵抗性疾患の比率は87%低下




若年かつ重症慢性閉塞性肺疾患で肺炎球菌ワクチン有効
http://intmed.exblog.jp/3292908/

肺炎予防に肺炎球菌ワクチンだとぉぉぉ・・・・
http://intmed.exblog.jp/2917409/



日本のワクチン行政は、いわゆる市民運動と反ワクチン運動家&メディアの偏向報道によりねじ曲げられてしまっているが、日本においてもPCVの導入は急ぐべきだと思う。

by internalmedicine | 2006-04-06 11:16 | 感染症  

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