鎮痛剤(NSAIDs)と心不全(啓蒙^H^H発が必要) : Cox2阻害剤の心不全への影響は薬剤により異なる
2004年 05月 29日
選択的Cox-2阻害剤は他のNSAIDs同様心不全悪化と関係があり、2種類のCox-2阻害剤により影響が異なる。
'Selective COX-2 inhibitors might be associated with cardiovascular . . . adverse effects that are similar to those of non-selective NSAIDs'
Lancet 2004; 363: 1751-56
【背景】非選択的・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、うっ血性心不全のリスク増加と関連しているが、COX-2阻害剤とよばれる新しいグループについてはあまりしられてない。
【方法】NSAID-naiveで、66歳以上の人を対象にpopulation-based retrospective cohort studyを施行。
rofecoxib (n=14,583), celecoxib (n=18,908),non-selective NSAIDs (n=5,391)
対照:NSAIDs使用無し(n=100,000)
【結果】rofecoxib・非選択的NSAIDsの患者は心不全入院リスクを増加(補正rate比 1.8, 95%CI 1.5-2.2、1.4:95%CI1.0-1.9)、celecoxibは増加せず(1·0, 0·8-1·3)
celecoxib使用者に比べ、非選択制NSAIDs(1.4,1.0-1.9)、rofecoxib(1.8 1.4-2.4)は有意に入院増加。
過去3年での入院無し患者のうちでrofecoxib使用者のみが対照群よりその後の入院リスク増加がみられた(1.8 1.4-2.3)
【結論】うっ血性心不全入院リスクをrofecoxibや非選択性NSAIDsは増加させるがcelecoxibは他のNSAIDs使用無しの対象に比べ増加させていない。
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下記内容の流れだと思うのですが、
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COX2は、NANSAIDs(Non-Aspirin Non-steroidal anti-inflammatory Drug)として炎症やアレルギーに効果があり、胃障害が低リスクである。しかし、アスピリンや他のNANSAIDsにある抗血小板作用がないことや、VIGOR試験(N Engl J Med 2000; 343: 1520-1528)で冠動脈疾患のリスク増加の報告がある。
Rofecoxibおよび他のNANASAIDsの心臓疾患に冠する影響を見るためのRetrospective Cohort研究が開始された。1999年1月から2001年6月までデータベースより検索し,20万例の症例を評価症例とした。その中でイベントとして3309例のAMIがあった。中間解析段階でRofecoxibの25mg以上投与例が、他のNANSAIDsに比較しリスクが高い傾向が見られている。────────────────────────────────────
日本で使用可能なCox-2阻害剤としては“メロキシカム 日本ベーリンガー・第一 COX-2阻害 2001年発売 発売 ”があります。今回この薬剤は検討されてませんが、
NDADsの心不全悪化については日本では医師にもその認識が低いのではないかとおもうことが多くあります。
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・添付文書にも、うっ血性心不全とは病態および臨床症状一般的には心不全により局所に血液が増大した状態をいいます。NSAIDsは腎でのナトリウム排泄低下、血圧上昇、全末梢血管抵抗上昇などをもたらすため、重篤な高血圧症や心機能不全のある患者さんでは悪化するおそれがあります。(『代表的な副作用「腎障害」P.43参照』)
代表的な症状として、安静時または運動時などにおこる動悸、息切れ、呼吸困難などがあります。
・不肖、私の訳した一般医の心不全マニュアルにも書いてあります。(原本はBMJ)
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ガイドラインによっては、より安全な代換として、アセトアミノフェンを勧めています。
メーカーサイドは日本で使用できるCox-2阻害剤の心不全への影響を報告し、他のNSAIDsメーカーはよりいっそう心不全への影響を啓蒙する必要があるのです。
by internalmedicine | 2004-05-29 11:54 | 医学
