医者に過剰労働を強制する側とそれを規制すべき側が同じ?・・・被害者は医者

昔は寝食を忘れて24時間労働する医者が良い医者=赤ひげ礼賛であった。・・・、いまでもこれも強要する役人がいるが・・・医者は労災などないとおもってるのだろうか?


業務上過失で逮捕されることを考えれば、医者も自分の労働条件の改善を前面にもってこなければ社会的に終止符を打たれることが決定的となった。

国立病院に先生方はまず、自らを保身するため、時間外労働を極力制限し、万全な身体状況で勤務に望むことを宣言し、故に、診療する患者数も制限するなど各自工夫の上、自らの保身をはかるべきである。結果的には患者さんたちの役に立つわけであろうし、医療ミスを少なくするためにも・・・



晴れて研修を終えた医師たちの進路が気になるところであるが、当方の助言通りに(下覚えはないが・・・)若い医師たちは保身的に診療科選択をしているようである。
産科・小児科だけでなく、外科系(耳鼻咽喉科・整形外科を含め)の進路希望者が激減している。これは訴訟・逮捕リスクが大きい要因ではないかと推定する。
・・・栃木県では警察の失態で若者が隣地殺害されたが、その警察官は逮捕どころか訴追さえされていない。・・・医者であれば、悪意のない業務上過失であっても逮捕されるのである。・・追い詰められつつある立場を代弁してくれるはずのメディアはNHKを含め医者への攻撃をやめない。・・・なら、訴訟リスクの少ない科目選択を誰が批判できようか?・・・すでに医療の現場は決定的に崩壊しているのである。馬鹿役人たちはさらに診療科目選択に強制権を発動するだろう。・・・まさに医師たちは、馬鹿役人たちの奴隷なのである。・・・全国の医師たちは決起すべき時だと思う



医療ミスにおいて医者たたきばかりが行われているが、過剰労働もその原因の一つである(もっとも、医者たたきをしても、医療ミスの当事者は看護師の方が多いのであるが・・・)。故に、国立病院において医療ミスが生じた場合は厚労省の役人も逮捕してほしいものである。


これだけの医者の過剰勤務労働を放置している役所と、本来それを取り締まらなければならない役所が同じというのも変な話で、しかも、所管の病院でさえそれを無視しているのはあり得ない話ではないだろうか?




小児科勤務医の超過労働時間〔月間〕の実態
月間の「平日超過勤務時間+夜間当直+休日日直(各12時間に換算)」の総計

月超勤時間数 累積割合 週労働時間換算
096時間以上   70%    64時間以上
144時間以上   89%    76時間以上
168時間以上   95%    82時間以上



小児科勤務医の労働時間(週)

      週平均
年齢  労働時間 医師数 標準偏差
20歳~  68.2     814    15.9
30歳~  62.9     1446    13.2
40歳~  58.9     1241    12.5
50歳~  52.5     664    11.3
60歳~  46.9     122      8.6
70歳~  46.0      23    13.8
80歳~  40.0       1     .
合計    60.6    4325    14.3

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/04/s0406-6a.html

他の報道では病院勤務医自体・・・66-40=26時間/週の超過勤務


http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060304AT1G0803P04032006.html
病院勤務医は忙しい・週66時間、1日30人診察
週66時間勤務し、1日あたり30人診察する――。厚生労働省研究班の調査で病院に勤務する医師の平均的な労働状況が明らかになった。 同研究班は、全国175病院の勤務医約6000人を調査し、同省の「医師の需給に関する検討会」に報告した。
調査によると、1週間あたりの平均勤務時間は66.4時間。平日の1日の内訳は外来診察(2.8時間)、入院診療(4.3)、休憩(0.8)、 自己研修(0.7)、研究(0.5)、教育(0.4)など。年齢別では30―34歳が週平均70時間以上と最も多い。




小児科医、夜の診療平均13人 36時間連続も
http://www.asahi.com/life/update/0415/006.html

小児救急の拠点病院で、宿直や夜勤の小児科医が一晩に診る患者は平均で約13人にのぼることが、厚生労働省の実態調査でわかった。「宿直が月15回」「36時間働き通し」といったケースもあった。厚労省ではこうしたデータを参考に、小児救急医の待遇改善などに向けた検討を進める方針だ。


開業医の勤務時間なんてほとんど無視しているだろうが・・・私的に言わせていただければ、勤務医の労働時間はまだまだ甘い。・・・そして、基本的に24時間365日拘束であり、丸まま日曜を休めるのは月に1回もないのである。・・・Early Retirementを医師全般に勧めたい。


国立大病院に「通信簿」 400項目の偏差値集計
http://www.asahi.com/life/update/0416/002.html



この馬鹿役人どもは、人には厳しく・・・まず、役人としての【通信簿】を見せろ!と、いうべきであろう・・・国立病院の先生方


追記H18.4.18

 民主党の山井和則氏が、小児救急医療に携わる医師が長時間の時間外労働など過酷な勤務を強いられていると追及したのに対し、川崎二郎厚労相は「長時間に及ぶ過重な労働は、診療の質を保つ観点から好ましくない」との認識を示した。

 共産党の高橋千鶴子氏は「今回の改革は、高齢者、長期療養患者にとっては負担増で、医療提供体制にとっては診療報酬、ベッド数削減で深刻な不安をもたらす」などと、政府案を批判した。社民党の阿部知子氏は、医療従事者の劣悪な労働環境に対する政府の対応を批判した。 記事:共同通信社【2006年4月17日】


官僚主義増長させた 小泉一派・・・それを批判せず、誘導した大メディアという構図がある・・・真に国民にしわ寄せが表面化するのは7月以降、療養型の経営がなりたくなるころから




サンケイ

崖っぷちの小児医療 (2)労基法かいくぐる当直勤務(04/18)
医師の良心に“おんぶ”が実情
自殺した小児科医、中原利郎さん(44)=当時=の遺族は今、労働災害の認定を求めて争っている。認定が難航しているのは、「当直」が労働基準法上、通常は勤務に認められないからだ。しかし、急患に対応する小児科の「当直」は未明に少し休める程度。当直を含めた三十二時間連続勤務があたりまえという過酷な労働条件が、小児救急をかろうじて成り立たせているのが現状だ。(飯塚隆志)
・・・どうしたんだサンケイ・・・すごくまともで良い記事だ

by internalmedicine | 2006-04-16 06:52 | くそ役人  

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